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桜 ~あなたに見られたくて~
第13章 ウェディング
母の陽子は
身重の陽菜の姿を見つけると
「早く来てよ!あなた達が最後よ~っ」と
陽菜たちに早くチャペルに入ってよと
大きな声で急かした。
「ったく…
いい歳して再婚だなんて…」
「あら?年齢は関係ないんじゃない?」
「そうだよ、お義母さん魅力的だし」
「恭平がお義母さんって呼ぶのはまだ早いわよ」
私は苛立ち紛れに飯塚さんに釘を刺した。
「えっ?なんでだよ
入籍こそしていないが、
僕は陽菜を妻に向かえるつもりだよ」
「それなんだけど…
ねえ、恭平、ほんとにそれでいいの?
幸か不幸か一発目で妊娠しちゃったけど
あなた、私の事をよく知らないわよね?
こんな私を妻に向かえるのって不安じゃないの?」
「不安なんてないさ
どんなカップルだって
100%全てを尻尽くしている訳じゃないさ」
私の肩を抱く手にギュッと力がこもった。
『私…淫乱なのよ…
誰かに裸を見られたがる性癖なのよ…』
妊娠がわかってからも
彼との入籍に今一つ踏み込めないのが
そんな性癖があるからだった。
「おしゃべりしていないで
早く来なさいよ!
神父さんがお待ちかねなんだから」
私ね…と
性癖の事を打ち明けようとするのを遮るように
母の陽子が焦れて急いで二人を席につかせた。