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桜 ~あなたに見られたくて~
第6章 図書館にて
『まだ大学生かしら?』
成人しているのだろうけど
まだまだ高校生の面影の残った幼い顔立ちだった。
『私、あの子に
セックスの時の声を聞かれているんだわ』
そう思うと、思わず赤面してしまった。
若い男の子は
慌てて私から視線を外すと
バタバタと外へ飛び出していった。
「どこに行くのかしら?」
私は、その男の子に興味を抱いて
知らず知らずのうちに
彼の後を尾行していたのでした。
彼が向かった先は図書館でした。
どうやら学校の授業の
予習でもするのかもしれません。
陰から覗いていると
難しそうな本を読みながら
一心不乱にノートにペンを走らせています。
『彼女とかいないのかしら?』
勉強は出来そうな感じだけど
スポーツなどしないのか
虚弱体質のような痩せぽっちでしたから
多分、彼女なんていないと思えた。
かといって、性に興味がないわけではないのは
お隣で聞き耳をたてながら
オナニーしていると知っていたので
私は彼を慰めてあげようかなと
特に読みたくもないけど
本を片手に彼のテーブルに近づきました。
「お向かいに座ってもいいかしら?」
そのように尋ねると
男の子は顔をあげて私の事を認識すると
コクンとうなづいて
再び机に向かって顔を伏せました。
「いつもここで勉強しているの?」
話しかけても無視されるのを覚悟で
私は彼に話しかけてみました。
すると、無視するどころか
ちゃんと私の問いかけに答えるように
「うん」と首を縦に振ったんです。