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インセスト・タブー
第3章 主たる器の人は心の鎧にキスをする
「っんふ…」
快感に、びくりとする女性。差し込まれた二本の指が、つつ、と何度も往復する。

そして。

「っはあ!」
それは唐突に動きを変え、膨らみをつまむ。

「はあ…んはあ…」
くりくりとそこばかりを攻め立てられ、女性は息を荒げた。もっとちょうだい、というサイン。

すると、それを理解したかのように指は激しく刺激する。

「ああ…はあん…」
もっと…もっと。

と突然、それは思わぬところに侵入する。女性は小さく叫んだ。喜びの声だ。穴の中のこの異物感は、最近までご無沙汰だったもの。

「ああっ…ああっ!」
指が中で暴れまわり、女性は身をよじらせる。


やがて。

「お顔が見たいですわ」
指を抜き、脚を抜き、後ろの女性がすべての動きを止めた。と、乱れた呼吸を整えながら、背を向けて横たわっていた女性がその場で向きを変えた。

向き合ながら互いに寄り添う二人の女性。暫し視線を交わし合うと、どちらからともなく唇を重ねた。火照った身体を抱き寄せ、髪を触り、背中をさすり――臀部へと手を伸ばす。

「お綺麗ですわ、夫人」
エリザーベトは唇を離し、言った。
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