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インセスト・タブー
第6章 苦しみから逃れるには勇気を以て立ち向かえ
“逃げ続けることはできない”…“いつかは立ち向かわなければならない”…。あの時の少女の言葉を頭の中で反芻し、冴えた目を無理矢理閉じる。
ようやく意識が薄れてきた時、扉の開く音が聞こえた気がした。気のせいだろうと眠りを優先させる。
と、薄手のシーツをくぐり、もぞもぞと足を伝って何かが這い寄ってくる。それは唐突に、宝でも見つけたようにあたしのものをパッと握り、やわやわと直に撫でた。
人の手だ。誰かの手が触れている。ぱち、と目を開け、わずかに顔を上げた。窓から射し込む、わずかな月明かりに照らされた顔を見て、絶句する。
「…何を、してるの」
鈍っていた思考が、だんだんと晴れていく。答えを聞かなくても、わかっていた。
目が合った。あたしを性の道具としか…男性器としか見ていない目。
「今日は誰も来なかったの」
エリザーベトは慣れた手つきでそれをなぶり、やがて口をつける。萎んだそれを唇で覆い、そのまま上下に滑らせようとした。
「やめてよっ!!」
ガバリと飛び起き、どん、とエリザーベトを思い切り押した。
ベッドを降りて、壁際にかかっていたドレスをひっつかむ。後ろなんて見向きもせずに部屋を出て玄関へ向かい、ドアノブに飛びつくと、もの凄い勢いで邸を飛び出した。
ようやく意識が薄れてきた時、扉の開く音が聞こえた気がした。気のせいだろうと眠りを優先させる。
と、薄手のシーツをくぐり、もぞもぞと足を伝って何かが這い寄ってくる。それは唐突に、宝でも見つけたようにあたしのものをパッと握り、やわやわと直に撫でた。
人の手だ。誰かの手が触れている。ぱち、と目を開け、わずかに顔を上げた。窓から射し込む、わずかな月明かりに照らされた顔を見て、絶句する。
「…何を、してるの」
鈍っていた思考が、だんだんと晴れていく。答えを聞かなくても、わかっていた。
目が合った。あたしを性の道具としか…男性器としか見ていない目。
「今日は誰も来なかったの」
エリザーベトは慣れた手つきでそれをなぶり、やがて口をつける。萎んだそれを唇で覆い、そのまま上下に滑らせようとした。
「やめてよっ!!」
ガバリと飛び起き、どん、とエリザーベトを思い切り押した。
ベッドを降りて、壁際にかかっていたドレスをひっつかむ。後ろなんて見向きもせずに部屋を出て玄関へ向かい、ドアノブに飛びつくと、もの凄い勢いで邸を飛び出した。