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インセスト・タブー
第8章 心のすぐ横を通りすぎていく
「そうか」
すべてを悟ったかのように、殿下は静かに目を閉じられる。穏やかな表情だった。

「知られてしまったのだな。手当ては…そなたが?」

「…申し訳ありません。わたくしの一存でご事情を他の者に話すのも、ためらわれましたので」
あたしが目を伏せて言うと、殿下は、うむ、と仰った。

「それでよい」
ふ、と笑まれる殿下。

「そなたには…話してもよいな」
やがて決意したように再び目を開けられると、ゆっくりと起き上がられた。

ベッドから出られ、椅子に腰かけるあたしの目の前に立たれると、一応原型は留めているお召し物に手を伸ばされる。染み込んだ血は乾いていた。一つ、また一つと…留め具が外されていく。

「で、殿下…!?」
声が裏返った。動揺するあたしを前に、殿下は至って冷静に、お召し物を脱いでいかれる。

そしてあたしは、はっと目を見開いた。

「…こういうことなのだ」
一糸まとわぬお姿の殿下。胸部は、包帯を押し上げるようにふっくらとしている。その一方で、華奢な両脚の付け根の間には、発達の最中だろう男根がぶら下がっていた。
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