この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
インセスト・タブー
第8章 心のすぐ横を通りすぎていく
「奇怪だろう」
殿下は袖にお手を通されながら、自らを嘲笑うように仰った。

「両親にも気味悪がられている。男でもあり、女でもある。また、男でもなく、女でもないのだ」
殿下の切なげな笑みが、胸を締め付けた。

「生まれた時は、男子と思われた。男子の特徴が強かったからな。そしてそのように育てられた。だが物心つく頃…余は男として扱われるのを嫌がった。余自身はその頃、自分を女だと思っていたのだ」

「――だがな、今は違う。今は、余自身も…自分が男なのか女なのか、わからなくなってきた」
殿下がベッドに腰を掛けられる。お身体の秘密は、すっかり隠されてしまって、もう見えない。

「殿下…」

「余は昔から年の離れた兄とよく比べられた。兄は余と違い、何においても優秀だった。そんな嫡子がいたから、家にとっては余などどうでもよかった。たまに女のような振る舞いをしても、両親は無頓着だった。…兄が姿を消すまではな」

殿下にご兄弟がいらしたとは…初耳だった。

「姿を消す…まさか良からぬことを企てた輩が…?」

「…いや、自ら出ていったらしい。置き手紙があったからな。もう何年も前のことだが、兄はそれから姿を見せていない。そして優秀な嫡子を失った両親は…仕方なく、余を嫡子として据えようと教育しているのだ。もちろん男としてな」
/76ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ