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混沌の館
第11章 愛の因子
「僕のほうこそ、ごめんね。もう、連絡は取らないつもりだったんだけど、サイトに戻ってたから気になっちゃって」
何となく重くなっていた空気を取り払うように、私が口火を切った。
「いえ、嬉しかったです。わたしのこと気にかけてくれてたんだ、て」
「彼氏とは仲良くしてるの?」
「う・・・ん、まだ付き合ってる」
久美に干渉するなと言われたのに、何を馬鹿な事を切り出しているんだ。私は、間抜けな質問をした事を後悔した。
だが、その後に続いた久美の話を聞いて仰天した。
私と別れる以前から、久美はその男と付き合っていた。その当時からその男は避妊を怠っていて、中に出された事も度々だったという。しかも、久美よりも6歳年下の若い男だ。久美一人で満足するはずもなく、他にも付き合っている女性がいたらしい。
久美は、元々うつ病を患っており、服薬しながら社会生活を続けていた。
ところが、その男との付き合いで精神のバランスを失い、病状が悪化し、遂には勤め先を辞めてしまったのだと言う。
勤め先は親の紹介で何とか入れたのに、それを辞めてしまった事で元々そりが合わなかった両親との中は更に険悪になり、今ではすっかり勘当同然の扱を受けているという事だ。
そして、最も私を驚かせたのは、久美の妊娠だった。
何となく重くなっていた空気を取り払うように、私が口火を切った。
「いえ、嬉しかったです。わたしのこと気にかけてくれてたんだ、て」
「彼氏とは仲良くしてるの?」
「う・・・ん、まだ付き合ってる」
久美に干渉するなと言われたのに、何を馬鹿な事を切り出しているんだ。私は、間抜けな質問をした事を後悔した。
だが、その後に続いた久美の話を聞いて仰天した。
私と別れる以前から、久美はその男と付き合っていた。その当時からその男は避妊を怠っていて、中に出された事も度々だったという。しかも、久美よりも6歳年下の若い男だ。久美一人で満足するはずもなく、他にも付き合っている女性がいたらしい。
久美は、元々うつ病を患っており、服薬しながら社会生活を続けていた。
ところが、その男との付き合いで精神のバランスを失い、病状が悪化し、遂には勤め先を辞めてしまったのだと言う。
勤め先は親の紹介で何とか入れたのに、それを辞めてしまった事で元々そりが合わなかった両親との中は更に険悪になり、今ではすっかり勘当同然の扱を受けているという事だ。
そして、最も私を驚かせたのは、久美の妊娠だった。