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混沌の館
第16章 遠距離恋愛
「わたし、自信がないの」


「何が?」


「わたし・・・身体に自信がないの」

「え、どういうこと?」


「わたし、全然魅力的な身体をしてないし、その・・・胸も小さいから・・・」


 私には、千夏の言っていることが良く分からなかった。太った女が身体に自信がないと言うのはよく聞くが、千夏はスレンダーで恥じるような身体はしていない。確かに、胸は大きいとは言えないだろうが、ブヨブヨに太っているよりはずっと魅力的だ。
女性は悩みが尽きないとはよく言ったものだと、思い知らされた。


「そんなこと、心配しなくて良いよ。一番大切なのは、お互いを愛しているかなんだから」


「うん、でも・・・狸さん、キャサリンさんみたいなグラマーな人と付き合っていたから、比べられるのかな?て」

「比べたりする訳ないよ。僕は、ちなちゃんと愛し合いたい。ちなちゃんを抱きたいんだ」


「本当に、わたしで良いの?」


(後もうひと押しだ)私の言葉は熱を帯びだした。


「違うよ、ちなちゃんじゃなきゃダメなんだ。ちなちゃんがいいんだよ」

「うん・・・うん・・・ありがとう。嬉しい・・・狸さんにお任せします」


 こうやって、千夏は私との関係を一歩進める事に合意してくれた。


 あと数日後には千夏と結ばれる。私は、ますます次のデートが楽しみになった。





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