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混沌の館
第18章 そして
千夏の身体の震えが収まって、私は彼女の唇を吸った。千夏も舌を絡めてくる。私は一旦、千夏との結合を解き、彼女を横向きにし背中越しに抱きしめる形でより添った。
二人とも肩で息をしている。手を握り合い、息が整うのを待った。
「ねえ、わたしたち・・・離れられるの?」
「無理だ。ちなちゃんを離したくないよ」
千夏がぎゅうっと手を握った。私も力を込める。
「何でわたしたち出会ったんだろう?」
「僕たちは、きっとどんな形であれ、出会っていたと思う」
「うん、そうだよね・・偶然じゃなかったんだよね。そして、別れなきゃいけないことも・・・」
「別れるんじゃないよ。区切りをつけるだけだよ。僕はちなちゃんをずっと愛してる」
「分かってる・・分かってるけど、逢えなくなるのは寂しい」
不倫は、始めるのも終わらせるのも難しい。むしろ、始めない事の方が簡単ではなかったのか。いや・・・私たちの場合、始めない事は、もっと難しかった。
お互いに既婚者でありながら、しかも、私にはキャサリンという彼女までいた。それなのに私たちは愛し合ってしまった。こうならない選択もできたのだから。
千夏の身体を反転させ、向かい合うと、彼女の唇を吸った。千夏も私の背中に手を回す。二人できつく抱き合った。
せめて今は、愛し合おう。
二人とも肩で息をしている。手を握り合い、息が整うのを待った。
「ねえ、わたしたち・・・離れられるの?」
「無理だ。ちなちゃんを離したくないよ」
千夏がぎゅうっと手を握った。私も力を込める。
「何でわたしたち出会ったんだろう?」
「僕たちは、きっとどんな形であれ、出会っていたと思う」
「うん、そうだよね・・偶然じゃなかったんだよね。そして、別れなきゃいけないことも・・・」
「別れるんじゃないよ。区切りをつけるだけだよ。僕はちなちゃんをずっと愛してる」
「分かってる・・分かってるけど、逢えなくなるのは寂しい」
不倫は、始めるのも終わらせるのも難しい。むしろ、始めない事の方が簡単ではなかったのか。いや・・・私たちの場合、始めない事は、もっと難しかった。
お互いに既婚者でありながら、しかも、私にはキャサリンという彼女までいた。それなのに私たちは愛し合ってしまった。こうならない選択もできたのだから。
千夏の身体を反転させ、向かい合うと、彼女の唇を吸った。千夏も私の背中に手を回す。二人できつく抱き合った。
せめて今は、愛し合おう。