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混沌の館
第6章 30代バツイチの美女
 出会い系サイトには、足跡機能というものがある。自分のプロフィールを見た人が居る場合、その人のプロフィールにリンクできるようになっている。男性は、女性のプロフィールを見るだけでもポイントつまり、お金がかかる。サイト運営会社が作り上げた集金システムだ。

 掲示板に書き込みをするようになると、足跡がたまに付くようになっていた。掲示板を見た女性がプロフィールを確認したのだろう。その日も、二人ほど足跡が付いていたので、私は二人のプロフィールを確認した。


 そのうちの一人に、私は注目した。


 その女性は、久美といい30代半ばで、住まいが私と同じ街になっている。身長は160~165、体型もスレンダーだ。

 私はダメ元でメールを送ってみた。

 この頃になると、私は随分とメールの書き方を工夫する様になっていた。初回のメールですべてが決まる。そう言っても過言でないくらい初回のメールは重要なのだ。

 私は、丁寧に自己紹介と相手に警戒心を持たせない為に『健全な友達を望んでいる』旨を伝える内容を綴った。勿論、本当は健全な関係以上になりたいという下心はある。

 渾身のメールであったが、期待はしていなかった。

 これまでも同様にメールを送ってきたが返事があるのは数回に一度、それも大半が断りのメールで、残りも2~3回の往復で途絶えていた。割り切りと違って簡単にはプライベートアドレスは教えてくれない。アドレス交換さえ出来ていなかった。



 期待しないのは、当然だ。



 しかし・・・





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