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「ここにはよく来るんですか?」
第5章 room 03 セックスフレンド
「お疲れ様でした〜」
職場の守衛室前で勤務を終えた従業員達をいつものように見送る。時計は21:30を表示している
愛逢村で出会い系サイトデビューを果たしてから4日目、俺の中にはまだあの日の興奮が燻り続けていた
あと少しですべての従業員が退勤し、俺の時間が始まる。そうなれば、またあのサイトに入り浸ることができる
「小沢くん、今日も夜勤かい?」
「お疲れ様です、川田主任。今夜は少し早いですね」
いつものように缶コーヒーを俺に手渡し、足早に関係者専用出入口へ向かう
「そうなんだ、今夜はちょっと用があってね。これで失礼するよ」
「お気をつけて〜、コーヒーありがとうございました」
そう言うと、川田主任は足早に去っていってしまった。いつもなら後1時間位は仕事をしているはずだ
それにしても……
「こんな時間から何の用があるんだろうなぁ」
思わず、頭の中でそう呟く
……女関係かな?
いや、それはないかな。川田主任にはそういったイメージはないし、あれだけ働いていたら、女を作る時間なんてなかなかないだろうからなぁ……、でも、愛逢村ならできなくもないか……
「守衛さん、お疲れ様です!」
「お先失礼します!」
少し考えていると、2人の大学生が元気よく挨拶をし退勤して行った
「お、おぅ、お疲れ様〜、気をつけてな」
不意に声をかけられて、少し驚いてしまった
確かあの2人はここから近くにある大学で、陸上をやっている男子学生だったっけ
「爽やかなスポーツマン」って印象で、揃ってイケメンだ。アレはモテるだろうなぁ、大学生……、女子大生もいいなぁ
……女の事ばっかだな俺
守衛室の中に入り、備え付けのモニターを確認する。そこには、従業員の出退勤情報が表示されており、これを見ればどのフロアに誰が残っているのかが分かるようになっている
いつもなら川田主任が1番遅く残っているのだが、今日はすでに全員が退社していた
明日は祝日で、店(百貨店)はそれなりに賑わうだろう。今日は早く帰って、明日に備えようと言う考えなのかもしれない
ともかく、俺にとってはありがたい話だ
「さてと……」
椅子に座って机に向かう。ペットボトルのお茶を脇に置いてスマホを操作し、愛逢村のサイトにアクセスする