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エンドレスサマー
第8章 小旅行
 翌年、美香は無事に志望校に合格した。小さな町の中学から大きな町の高校へ通い始める。そして私と美香の大人の付き合いも始まった(いや、すでに始まっていた)。
 週末、私と美香は隣町のさらに隣の町の図書館に、時間を変えて別々のバスで通った。関係を誰にも知られないために念には念を入れた(残念ながら秘密は守れなかったが)。
 午前中私と美香は図書館に入り、美香は勉強をして私は好きな本を読んで過ごした。昼食の時(敢えてファストフード店は避けた)、美香が私に質問をする。数学だけでなく高校一年の英語くらいなら、私でも美香の質問に答えることはできた。
 付き合いが始まった男と女は、こんな風に考え始める「二人だけの時間がもっと欲しい。好きな人と長く過ごしたい」と。私も美香もそうだった。そこで五月の連休に二人で日帰りの旅行をすることを計画した。旅行とは……つまり、あれのことだ。
 美香は高校に入学すると写真部に入った。理由は簡単だ。運動部と違い放課後の活動はほぼ無し。指導者のいない写真部は、文化祭に発表する写真を数枚期日までに提出すればいいようなクラブだった。
 私も卓球部の副部長はしていたが、週に何度か部活動に顔を出す程度で、大会などには部長と中学OBの数名のコーチが同行していった。新入生と遊びで卓球の試合をしても、勝つことができない副部長は、選手にアドバイスなどできない。 
  一日だけの小旅行。それは私が提案したものだった。「どこかに行かないか?」そう私は美香に切り出した。「ドライブでもしよう」ではなく「どこかに行かないか?」この言葉の中に私の男の欲が薄っすら混じっていることを美香は悟っていたに違いない。
 美香は私を見つめて、何かを覚悟したような顔で頷いた。
 男と女の小旅行、体を求めあう僅かな時間。もちろんそれは観光を目的としたものではない。
 噂を頼りに身近で比較的綺麗なラブホを探す。その部屋の中で○○○を済ます。まぁ一般的にはこんな展開だろう。
 教師とかつての教え子にはそれは通用しない。私と美香が向かった先は、隣県の小さな町にあるレジャーホテルだった。
 私は前日にレンターカーを借り、早朝できるだけ人目に着かない場所を待ち合わせ場所にして、そこで美香を車に乗せ車を走らせた。
 色々話すことがあるはずなのに、私と美香はホテルに着くまで車内では一言も話さなかった。
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