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エンドレスサマー
第8章 小旅行
「さっきから気になっているんだけど、美香はそれ好きなのか?」
「それって何?」
「今掴んでるやつ。掴んでるというか、擦ってるというか、撫でてるというか……わかるだろ?」
「あっ、これ」
「そう」
「ふふふ」
 私のペニスを握るのに飽きたのか、先ほどから美香は私の金玉を手の中で転がしたりしている。
「美香は金玉好きなんだな」
「だって何だかとっても可愛いんだもん先生のき・ん・た・ま」
 聞き取るのが難しいくらいに小さな声で美香はそう答えた。
「可愛い?」
「そう、可愛い」
「そんな風に言われたの初めてだよ」
「おちんちんにたまたまが二つ。ふにぁふにゃしてそうだけど、触ると硬いし。私、先生のき・ん・た・まのファンになったかも」
 小さな声で美香はまた金玉と言った。
「金玉もいいけど、僕のファンになれよ」
「好きとファンは違うから」
「何だよそれ」
「ふふふ」
「美香」
「何?」
「舐めてくれる? と言うか……」
「フェラ?」
 私が言葉を探していたら美香は躊躇うことなくずばり私にそう言った。
「そう。でもさ、美香はそれ……フェラチオをのことどこで知ったんだ?」
「高一女子でフェラ知らない子なんていないと思うよ」
「本当か?」
 こうして美香と付き合っていても、私は高一女子のことなんて全くわからない。
「本当」
「そんなこと誰と話し合っているんだ?」
「先生、全然私たちのこと知らないんだね。私の友達にももうエッチした人いるでしょ。その友達が教えてくれるわけ。例えば友達どうして集まるでしょ。そうすると半分はファッションとか食べ物とかそういう話。でも半分は彼氏とか彼氏とのエッチの話になるの」
「……美香」
「先生、私が先生とエッチした話なんてするわけないでしょ。先生と付き合っていることだって誰にも言わないし、ていうか言えないし。心配しないでよ先生。先生とのことは秘密だから」
「……」
 惨めだった。私には何も言えない。仮にも私は教師だ。世間が教師に向ける目には厚い信頼が含まれている。私はそれを裏切っているのだ。
 教師は教え子と付き合ってはいけない。そんなルールなんてないのは承知しているが、だが世間はそれを許さない。私も美香もそのことがわかる。そして今、私と美香は付き合いを越えて男と女になろうとしている。後ろめたさで、私は自分の顔が強張るのを感じた。
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