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エンドレスサマー
第9章 身体測定
 どんな人でも例外なく経験したものがある。それは毎年訪れる健康診断。会社や学校では少なくとも年に一回は実施されているはずだ。 
 悲しいかな人は歳を取る。すると健康だったはずの体のどこかにがたがくる(もちろん健康を維持されている方もしらっしゃるだろうが)。歳を取れば取るほど、そのがたや歪みみたいなものが大きくなり、時には目に見えない体の内側から健康を蝕んでいく。
 肝臓や尿酸、そして血糖値の数値を気にしながら生活されている方も多いはずだ。
 では訊ねる。小さい頃はどうでしたか? と。
 まさか学校の健康診断で、お医者様が診断結果を見ながら「休肝日を作りましょう」とか「煙草の本数を減らしましょう」なんて言うことは百%(断言できないが)ない。そもそも子供は酒は飲まないし、煙草も吸わない。アルコールやニコチンからは縁遠い生活を営んでいるので、そういう部分の検査は必要とされていない。
 では、学校では何を診断していたのか?
 私の子供の頃は、健康診断ではなく身体測定と言っていたと思う。身長・体重の測定。座高や胸囲なんてのも検査の対象だったような気がする(最近では腹囲も測定するそうだ)。
 内科検診で校医から聴診器を胸や背中に当てられ、心音を聴かれたこともあったが、学校での身体測定は主に体の内側ではなく、外側に現れる変化の測定だった。
 つまり子供の検診(身体測定)は成長を記録していくものなのだ。私も去年より身長が伸びたことを喜んだ記憶がある。そういう喜びが積み重なって、私は大人の領域(体の)に入っていった。
 喜ぶのは子供だけではない。親もまた子の成長を願い、喜ぶものなのだ。
 もうお分かりかと思う。私の妻にいたずらをしたAはこの身体測定を利用した。
 ここでも私の疑問は残る。寄生虫検査とか身体測定などの日程は極めて限られた人間だけが知るものである。なぜその情報をAはいとも簡単に手に入れることができたのか? まさか登下校している小学生にそんなことを訊ね回る人間なんているわけがない。仮にそんな人間(間違いなく男)がいたら、明らかに不審者として何かしらの機関に通報されるはずである。
 妻が小学三年生だった四月の金曜日、白い車が止まっていた。悪魔が笑っている。今日もまたこのまま家に帰ることができない。妻は絶望した。
 
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