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エンドレスサマー
第3章 いたずら
「大きな通りまで、友達と一緒だったんだけど、家に向かう道に曲がるところから私一人になるの。正確な日時は覚えていないけど、小学二年の六月頃だったと思うわ。道を曲がるといつも白い車が止まっていることが多くなったの」
「白い車?」
「そう、白い車。ワンボックスタイプの商用車。私の家の五軒くらい隣に内職をしている家があって、その白い車で内職で出来上がった品物を運んだり、部品のようなものをその家に持って行くみたいだったわ」
「内職か……」
「どんな内職かはわからないけど。とにかく白い車が止まっているの」
「それで」
「白い車の運転手は何人かいるみたいだったけど、金曜日にやってくる運転手はいつも同じ人だったの」
「どんなやつ?」
「若かったわ。高校生くらいのお兄さんのように感じたわ。もちろん高校生じゃ運転なんてできないけど」
「若いやつか……、それで」
私は妻を急かすようにそう言った。いたずらとはどういうことなのか? 私はそれを早く知りたかった。
「一番最初は挨拶だったと思う。向こうから私に『こんにちは』と挨拶して、私も『こんにちは』と返していたの。私の名札を見て私の名前がわかったんだと思うけど、やがってそれが『美香ちゃん、こんにちは』という風になっていったわ」
「その挨拶は、いついたずらに変わったんだ?」
妻が悪いわけではないのだが、問い詰める口調になってしまった。
「水泳の授業が始まったころかな」
「水泳? 水泳なんて二年生からやるものなのか?」
「学校によるんじゃないかな。とにかく私の小学校は水泳の授業があったわけ」
「水泳の授業がきっかけだったということ?」
「そう。水着はランドセルに入らないでしょ。だから水着を入れるバッグも持っているわけ。私にいたずらしたロリコン野郎はそれに目を付けたの」
「水着のバッグ……」
「今でも覚えているわ。水着が入ったバッグを見た瞬間のロリコン野郎の目」
「目……」
「いいものを見つけたって目をしていたわ」
「いいもの……」
「そして私をいたずらしたロリコン野郎の本性がだんだん表れてきたの。夏だったし、だから私が着る服だって露出する部分が大きくなっていったの」
「ロリコン野郎の本性か……」
「そう、私をいたずらした男の本当の姿」
「……」
もはや言葉が出ない。私は言葉を失った。
「白い車?」
「そう、白い車。ワンボックスタイプの商用車。私の家の五軒くらい隣に内職をしている家があって、その白い車で内職で出来上がった品物を運んだり、部品のようなものをその家に持って行くみたいだったわ」
「内職か……」
「どんな内職かはわからないけど。とにかく白い車が止まっているの」
「それで」
「白い車の運転手は何人かいるみたいだったけど、金曜日にやってくる運転手はいつも同じ人だったの」
「どんなやつ?」
「若かったわ。高校生くらいのお兄さんのように感じたわ。もちろん高校生じゃ運転なんてできないけど」
「若いやつか……、それで」
私は妻を急かすようにそう言った。いたずらとはどういうことなのか? 私はそれを早く知りたかった。
「一番最初は挨拶だったと思う。向こうから私に『こんにちは』と挨拶して、私も『こんにちは』と返していたの。私の名札を見て私の名前がわかったんだと思うけど、やがってそれが『美香ちゃん、こんにちは』という風になっていったわ」
「その挨拶は、いついたずらに変わったんだ?」
妻が悪いわけではないのだが、問い詰める口調になってしまった。
「水泳の授業が始まったころかな」
「水泳? 水泳なんて二年生からやるものなのか?」
「学校によるんじゃないかな。とにかく私の小学校は水泳の授業があったわけ」
「水泳の授業がきっかけだったということ?」
「そう。水着はランドセルに入らないでしょ。だから水着を入れるバッグも持っているわけ。私にいたずらしたロリコン野郎はそれに目を付けたの」
「水着のバッグ……」
「今でも覚えているわ。水着が入ったバッグを見た瞬間のロリコン野郎の目」
「目……」
「いいものを見つけたって目をしていたわ」
「いいもの……」
「そして私をいたずらしたロリコン野郎の本性がだんだん表れてきたの。夏だったし、だから私が着る服だって露出する部分が大きくなっていったの」
「ロリコン野郎の本性か……」
「そう、私をいたずらした男の本当の姿」
「……」
もはや言葉が出ない。私は言葉を失った。