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言葉に出来ない
第7章 I LOVE YOU〜亮平
「ええ?
こんにちあんって、和菓子屋じゃないの?」と、
横浜に帰ってそのまま美由ちゃんの家に立ち寄らせて貰った時に再度訊いて、
楽しそうに笑われてしまった。


「そっか。
裏千家か」と言うと、

「でも、中でお薄とお干菓子、
いただきましたよ?」と美由ちゃんが笑いながら言った。


ばあちゃんや母さんとも、
すっかり打ち解けたみたいで、
ホッとしながら、

「今日はこれで帰るね」と言うと、
美由ちゃんが少し残念そうな顔をした。


そして、
「朝、起きれたら、
公園でのカールのお散歩で会えるかしら?」と言うので、

「勿論、行くよ。
天気、もちそうだし」と答えると、
嬉しそうな笑顔を見せてくれた。


荒井さんが送ってくれると言うので、
美由ちゃんも一緒に車に乗り込んでくれて、
ずっと手を握っていた。


流石にキスは出来ないけど、
凄く幸せな気持ちだった。


翌朝、いつものように公園に行くと、
美由ちゃんはまた、
お弁当を入れたトートバッグを持って待っていてくれた。


「今日はあんまり、作れなくて…」と言うけど、
美由ちゃんが作ってくれるなら、
梅干しのおにぎりでも構わないよと言うと、

「んー。
今日はそんな感じですよ?」と笑った。


いつもの仕事をして、
昼に弁当箱を開けると、
お稲荷さんが並んでいた。

シンプルで、それはそれで可愛いと思ったら、
中の具が一つ一つ違うから、
驚いてしまった。


そして、また、
その様子を見ていた他の先生に揶揄われてしまって、
ちょっと照れ臭くなってしまう。


美由ちゃんとの結納の前に、
週末に考えていたことを、
美由ちゃんに相談しようと思った。


それと、こうやってお弁当の受け渡しをしたり、
夕食をご馳走になっては帰宅することで、
時間的な負担を掛けてないか、
心配にもなる。


居候、させて貰おうかということも、
相談しようと思ったりした。
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