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言葉に出来ない
第8章 YES-YES-YES〜美由
介添人さんと亮平さんが二人がかりで花嫁用の控え室に連れて行ってくれる。


「少しお座りになっていてください。
落ち着いてからお着替えしましょうね?」と、
介添人さんが優しい声を掛けながらお水を渡してくれる。


「美由ちゃん、俺、着替えたらすぐ戻るからね」と、
額にキスをして、手をギュッと握ってから亮平さんは一度部屋から出る。


暫くぼんやり鏡を観ながら、
さっき、本当に忘れていて、
久し振りに会った、元婚約者のことを考えた。


あ…れ…?
私、名前も忘れちゃってる。


そう思ったら、なんだか可笑しくなってしまって、
クスリと笑ってしまった。

多分、deleteボタンを押して記憶から消去したのね?

そんなことを考えたら、
今度は涙が出てしまって、
慌ててティッシュペーパーで涙を拭った。




「落ち着いてきました。
お待たせして、申し訳ありません」と声を掛けると、
控えめな感じで微笑んで、
介添人さんが着替えを手伝ってくださる。


髪は最後、ダウンスタイルになっていたので、
ヘアアクセサリーだけ外して貰って、
シンプルなワンピースに着替えた。

巻かれたり、逆毛を立てられてからスプレーでガチガチに固められた髪は、
シャンプーを2、3回しないと、
つるんとしたいつもの状態にはならなそうだった。


多分、内線か何かで知らせてくれたのか、
着替え終わって落ち着いた頃に、
亮平さんがノックをして部屋に入ってきた。


スーツ姿なのは、
最後に親族に挨拶がてら、お茶をすることになっていたから、
キチンとした姿をしてくれてたんだと思うと、
ほっこりした気持ちになる。



「お待たせしました」と言うと、

「あいつ、外で待ってるよ?
どうする?」と言われて、
少し顔がこわばってしまうのが、自分でも判った。


「断ってこようか?」と心配そうに言われたけど、
私は首を横に振って、

「一緒に居てくれますよね?
それなら、大丈夫です」と言って、
亮平さんに手を取られて立ち上がった。


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