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言葉に出来ない
第1章 突然の出会いは進展もなし〜亮平
回診が終わってから、再度、彼女達の部屋をノックした。


彼女は椅子を用意してくれてたけど、
落ち着かなくて、

「立ったままで大丈夫」とぶっきらぼうな声で答えると、

「では、私も立ったままでね?」と言って笑った。


実家の母の茶室みたいに、
二つ折りの和紙みたいなのに載せた和菓子を渡してくれる。


葉っぱに包まれた、
物凄く地味な色の小さい麩饅頭を一口で放り込む。


うん。
やっぱり、これ、
美味いよな?

という顔をしていたみたいで、
彼女がクスクス笑うと、

「もう一つ、召し上がりますか?」と言った。


頷くと、食べやすいように葉っぱを開いたものを、
和紙の上に載せて出してくれる。


「手土産に頂いたと仰っていたから、
お味の感想を添えてお礼を申し上げるのかなと思って…。
私がそれ、頂いてしまったら、
先生、感想を言えないでしょう?」と生真面目な顔で言った。


そうだった。
彼女と食べたくて買ってきたなんて言えなくて、
貰ったとか言い訳したんだったということを思い出した。


そして、彼女は「どうぞ?」と言うと、
ふんわりときめ細かい泡が盛り上がるようになっている抹茶を点てて俺に渡してくれた。


受け取って、時計回りに2回、回して飲む。

物凄く懐かしくて、
とても美味しい味だった。


「久々に飲むと美味しいもんですね?」と言って頭を下げると、

「良かった」と笑う。


「あ。
俺ばっかり、食べてた。
美由ちゃん、
じゃなくて、小川さんも食べてください」と言うと、

「ありがとうございます。
いただきます」と言って、
ペロリと2個、食べて、

「本当に柔らかくて美味しいですね?
久し振りに頂きました。
先生、ありがとうございます」と言って笑った。


「良かったら残りも食ってください」と言ったら、

「そんなに食べたら太ってしまいます」と笑う。


「一口だったら、祖母が食べても大丈夫ですか?
それなら、あと、2個、頂戴しますね?」
と言うので、

「じゃあ、夕食代わりに食べるから、
3個ずつにしようか?」と言って、
箱の蓋に3個入れて持つと、

「では、夕食に頂きますね?
先生、ありがとうございます」と言った。


同じモノを夕食で口にすることが嬉しいくせにぶっきらぼうな声で、

「お茶、ご馳走様」と言って部屋から出て行った。
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