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言葉に出来ない
第1章 突然の出会いは進展もなし〜亮平
月曜日は午前中はその週の手術のカンファレンスがあって、
その後はデスクでカルテや画像を確認して、
術式について問題ないかを最終チェックした。
昼飯はそんなに腹が空かなくて、
デスクでウィダーインゼリーを飲んでから、
入院病棟の回診をした。
最初に彼女の処へ行って、
看護師に検査の指示を出してから他を回る。
もう一度、彼女の部屋に戻ると、
まだ祖母と看護師は戻って居なくて、
彼女が独りで窓の外を観ていた。
そっと近付くとゆっくり振り返って、
「ほら?
そこの樹に、少し大きな鳥が居るの。
ヒヨドリみたい…」と指を指して小さい声で囁く彼女の横顔に見惚れてしまう。
「えっと…。
電話しても良いかな?」
と、なんとか言ってみると、
「えっ?」と戸惑うような顔をする。
「いや、その…。
また、甘いモノ、食べたい時に、
付き合って欲しくて…」と言うと、
そっと頷いてくれたような気がしたけど、
実際のところは、
ドアが開いた方に顔を向けただけかもしれなかった。
彼女の祖母が車椅子で戻ってきて、
看護師がベッドに寝かせるのを待って、
「えっと、データや画像を俺の診察室に持って来て貰えるかな?
小川さん、説明するので、
15分後に診察室に来てください。
あ、お祖母様とご一緒でも、
お一人でも良いですよ?」と、
エラク事務的な口調で言って部屋を出た。
その後はデスクでカルテや画像を確認して、
術式について問題ないかを最終チェックした。
昼飯はそんなに腹が空かなくて、
デスクでウィダーインゼリーを飲んでから、
入院病棟の回診をした。
最初に彼女の処へ行って、
看護師に検査の指示を出してから他を回る。
もう一度、彼女の部屋に戻ると、
まだ祖母と看護師は戻って居なくて、
彼女が独りで窓の外を観ていた。
そっと近付くとゆっくり振り返って、
「ほら?
そこの樹に、少し大きな鳥が居るの。
ヒヨドリみたい…」と指を指して小さい声で囁く彼女の横顔に見惚れてしまう。
「えっと…。
電話しても良いかな?」
と、なんとか言ってみると、
「えっ?」と戸惑うような顔をする。
「いや、その…。
また、甘いモノ、食べたい時に、
付き合って欲しくて…」と言うと、
そっと頷いてくれたような気がしたけど、
実際のところは、
ドアが開いた方に顔を向けただけかもしれなかった。
彼女の祖母が車椅子で戻ってきて、
看護師がベッドに寝かせるのを待って、
「えっと、データや画像を俺の診察室に持って来て貰えるかな?
小川さん、説明するので、
15分後に診察室に来てください。
あ、お祖母様とご一緒でも、
お一人でも良いですよ?」と、
エラク事務的な口調で言って部屋を出た。