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言葉に出来ない
第3章 愛の中へ〜亮平
「あ、ちょっと顔、洗ってくるよ」と言って、
近くの水飲み場に走って行って、
思い切り顔を洗って、
犬みたいにブルブルさせて水を切る。
今朝は慌てて、
タオルを持ってなかったけど、
まあ、良いかと思って、
ゆっくり歩いて戻ると、
美由ちゃんはタオルハンカチみたいなのを渡そうとしてくれる。
「すぐ乾くから、平気だよ。
汗臭いよね?
ごめん」と言うと、
「そんなこと、ないですよ。
少し座ります?」と微笑んでくれる。
のんびり木陰のベンチに歩いて、
並んで座ると、
カールは美由ちゃんの足元に伏せをした。
「警察犬以外でシェパード飼ってる人、
初めて見たよ。
大型犬だとさ。
ラブラドールとかは見るけど…」と言うと、
「我が家は、代々、ジャーマンシェパードなんです。
お散歩してても、
変なヒト、近寄って来ないからって、
祖父はいつもそう言ってました」と笑う。
「確かにそうかも。
俺とか、不審者と思ってないのかな?」
「私がリラックスしてるから、
大丈夫ですよ?
私、あんまり社交的じゃなくて、
男性とお話するのも苦手で緊張するんですけど、
亮平さんとなら、不思議と緊張しなくて…」と、
クスリと笑ってくれる。
「病院では、恐いお顔だったのに、
嬉しそうに甘いモノ、召し上がったりするし、
なんだか、可笑しくて…」
えっ?
そこ?
そこなんだ。
俺の心の声が聴こえてたのか、
美由ちゃんが言葉を切る。
言ってしまおうか?
でも、フラれたらダメージ、デカいよな。
病院の検診とかで会うのも、気まずいしな?
色々なことを考えてしまう。
「…亮平さん?
大丈夫ですか?
どこか、痛いんですか?」と、
小首を傾げて俺の顔を見る美由ちゃんの唇が可愛くて、
思わずそっと指先で唇に触れたくなってしまって、
俺はすっかり平常心を失っていて、
とんでもないことを口走ってしまった。
「キス、したい」
近くの水飲み場に走って行って、
思い切り顔を洗って、
犬みたいにブルブルさせて水を切る。
今朝は慌てて、
タオルを持ってなかったけど、
まあ、良いかと思って、
ゆっくり歩いて戻ると、
美由ちゃんはタオルハンカチみたいなのを渡そうとしてくれる。
「すぐ乾くから、平気だよ。
汗臭いよね?
ごめん」と言うと、
「そんなこと、ないですよ。
少し座ります?」と微笑んでくれる。
のんびり木陰のベンチに歩いて、
並んで座ると、
カールは美由ちゃんの足元に伏せをした。
「警察犬以外でシェパード飼ってる人、
初めて見たよ。
大型犬だとさ。
ラブラドールとかは見るけど…」と言うと、
「我が家は、代々、ジャーマンシェパードなんです。
お散歩してても、
変なヒト、近寄って来ないからって、
祖父はいつもそう言ってました」と笑う。
「確かにそうかも。
俺とか、不審者と思ってないのかな?」
「私がリラックスしてるから、
大丈夫ですよ?
私、あんまり社交的じゃなくて、
男性とお話するのも苦手で緊張するんですけど、
亮平さんとなら、不思議と緊張しなくて…」と、
クスリと笑ってくれる。
「病院では、恐いお顔だったのに、
嬉しそうに甘いモノ、召し上がったりするし、
なんだか、可笑しくて…」
えっ?
そこ?
そこなんだ。
俺の心の声が聴こえてたのか、
美由ちゃんが言葉を切る。
言ってしまおうか?
でも、フラれたらダメージ、デカいよな。
病院の検診とかで会うのも、気まずいしな?
色々なことを考えてしまう。
「…亮平さん?
大丈夫ですか?
どこか、痛いんですか?」と、
小首を傾げて俺の顔を見る美由ちゃんの唇が可愛くて、
思わずそっと指先で唇に触れたくなってしまって、
俺はすっかり平常心を失っていて、
とんでもないことを口走ってしまった。
「キス、したい」