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言葉に出来ない
第3章 愛の中へ〜亮平
葉山まで車を走らせた。


途中で店に電話を入れて、
コース料理なら、
2階のお席を用意出来ると言われて、
躊躇なく、お願いした。


ケーキが美味いチャヤに到着すると、

「ここに来るの、久し振りです」と、
嬉しそうな顔で美由ちゃんが言った。


…久し振りって、
デートとかだよな?

俺も学生時代に、
ダブルデートで来たことあって、
その時はカッコつけてケーキを我慢したのを思い出した。


「両親が日本に居た時に、
時々、家族で来てました。
まだ、祖父もその頃は健在でしたから…」と言うので、
少しだけホッとした。


湘南野菜や、相模湾で採れた魚を使ったコース料理は、
どれも美味しくて、
美由ちゃんも嬉しそうに食べてくれた。


「ご両親は、日本に居ないの?」と、
さっきの会話で気になったことを口にすると、

「はい。
今はアメリカの西海岸に居ます。
亮平さんと同業で…。
あちらの大学病院に居るんですよ」と言われて、
ハッとしてしまう。


「あのさ。
脳外科の、小川教授?」と訊くと、
頷いて笑った。


「じゃあ、亡くなったお祖父様も、
旧帝国大学で医学博士だった、小川教授だよね?
ドイツで西洋式の術式学んで、
日本に導入した功労者の…」と言うと、
頷く。


「だから、ドイツ語のカルテ、読めたんだ」と呟くと、

「私も一応、医学部でしたから…」と笑った。



「えっ?
そうなの?」と言うと、

「でも、向いてなくて…。
無理しなくて良いって言われて、
医師免許は取りましたけど、
そのまま、翻訳仕事をするようになったんです」と言った。


「なんか、今日は驚いてばかりだな」と言うと、

「でも、ペーパー免許ですから!
車もね。
免許は取ったんですけど、
運転、向いてなくて…。
ゴールド免許ですけど、
ガレージから車を出すのも怖いの」と言うから、
なんだか可愛くて笑ってしまった。


「私が運転、代われるなら、
亮平さん、少しアルコール飲めるのに、
お役に立てなくてごめんなさい」と言うけど、
アルコールなんてなくても、
すっかり美由ちゃんに酔ってるから、
そんなことはどうでも良かった。
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