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言葉に出来ない
第4章 愛を止めないで〜美由
翌朝は少し早起きをして、
簡単なお握り中心のお弁当を作ってカールと公園に向かった。

亮平さんは既に前日と同じ場所に到着していて、
ストレッチをしていた。


「おはようございます」と声を掛けると、
カールが嬉しそうに飛び付いて顔をペロペロ舐めてしまう。


「抱きつかれてキスされるなら、
カールより美由ちゃんの方が良いのにな」と笑いながら、

「おはよう」と笑ってくれて、
私は紅くなってしまう。



「昨日より、人が多いね?」と言われて、
周りを見回す。


「平日の朝は、こんな感じですよ?」と言うと、

「じゃあ、イチャイチャ出来ないね?
噂になっちゃうから」と戯けて言うので、
おかしくて笑ってしまう。


「ちょっとカールと一周、走って来ても良いかな?
他の人、居るから危なくないよね?
見える範囲で走るから!」と言って、
私からリードを受け取ると、

「ほら!
カール、行くぞ!
オトコとオトコの勝負だ!」と言って、
走り出してしまったので、
私はクスクス笑いながらベンチに座った。


犬友のおばさまが近づいてきたので、
「おはようございます」と言うと、

「カールは?
まあ、凄いスピードね。
どなたかしら?
彼氏さんなの?」と訊かれて、
顔が紅くなってしまうと、

「まあまあ。
良いわね。
朝から公園デートなんて!」と冷やかされてしまう。


これで、多分、
公園に居るほとんどのおばさま達に、
知れ渡ると思ったら、
説明する手間が省けて良かったと思ったりした。



昨日と同じように、
水飲み場で顔を洗って、
カールにもお水を飲ませてくれてる亮平さんに、
大きめのタオルを渡した。


「うわ。
なにこれ、柔らかい!」と、
コドモのような声を上げるので、
おかしくてクスクス笑ってしまう。


「なんか、美由ちゃんの頬っぺたみたいだな」と言われて、
恥ずかしくなって、
それを誤魔化すように、

「朝食、持ってきました。
ここで召し上がります?
お家に帰ってからにしますか?」と言うと、

「えっ!
嬉しいな。
今、食べたい!」と笑った。
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