この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
言葉に出来ない
第4章 愛を止めないで〜美由
昼間に親子連れの方がお弁当を広げるテーブルのエリアに移動して、
ランチョンマットを置いてから持って来たお弁当を並べる。
お弁当と言っても、
お握りとけんちん汁が入ったスープジャー、
簡単なオカズを入れた小さいお弁当箱だけ。
亮平さんは、嬉しそうな顔で、
「いただきます」と言って、
凄い速さで食べ始めるので、
びっくりしながらマイボトルで持って来たきたほうじ茶をカップに淹れて出すと、
それもゴクゴクと飲んでしまった。
「あの…、足りましたか?」
「あ、ごめん。
美味しくて一気に食べちゃった。
美由ちゃんの分は?
俺、食べちゃった?」と言うから、
「私は家でゆっくりいただきますから」と笑った。
「甘い卵焼き、美味しかった。
鳥からも!」と言われて、
良かったと思った。
「明日は京都風に、
甘くない卵焼きにしますか?」と訊くと、
「えっ?
嬉しいけど…」と言いながら黙ってしまうので、
かえってご迷惑なのかなと思ってしまった。
「毎日だと、大変だよ。
朝、早く起きて作ってくれたんでしょ?」
「えっ?」
「美由ちゃん、寝不足にしちゃったら、
申し訳ないし」と気遣ってくださってることが判って、
「やだ。
そんなに大変じゃないですよ?
朝から牛丼屋さんより良いかなって思って…」と言うと、
「ありがとう」と言って、
手を握り締めてくれる。
「今週はね。
今日と金曜は、手術が入ってて、
後はいつもと同じかな?
午前中、外来で、
午後は入院患者さん診て、
夕方には帰る感じ。
平日の夜は、
デート出来ないよね?
土曜日はこないだみたいになると悪いから、
日曜日、朝からデートしたいな」
「今は、デートじゃないの?」
「そっか。
今もデートだね?」
「でも…」
「でも、なに?」
「そんなにたくさん、会ってたら、
亮平さん、私に飽きてしまいますよ?
私、話題も何も持ってなくて、
つまらないもの」
「そんなことないよ。
そんなこというなら、俺だってさ。
仕事ばっかりのつまらないオトコだよ?
気が利いたこととか、言えないしさ。
ケーキ3個、食うし…」と笑う。
「オペがあるなら、
早めに戻って支度した方が良いですよね?
そろそろ戻りますか?」と言うと、
手首のアップルウォッチをチラリと見て頷いた。
ランチョンマットを置いてから持って来たお弁当を並べる。
お弁当と言っても、
お握りとけんちん汁が入ったスープジャー、
簡単なオカズを入れた小さいお弁当箱だけ。
亮平さんは、嬉しそうな顔で、
「いただきます」と言って、
凄い速さで食べ始めるので、
びっくりしながらマイボトルで持って来たきたほうじ茶をカップに淹れて出すと、
それもゴクゴクと飲んでしまった。
「あの…、足りましたか?」
「あ、ごめん。
美味しくて一気に食べちゃった。
美由ちゃんの分は?
俺、食べちゃった?」と言うから、
「私は家でゆっくりいただきますから」と笑った。
「甘い卵焼き、美味しかった。
鳥からも!」と言われて、
良かったと思った。
「明日は京都風に、
甘くない卵焼きにしますか?」と訊くと、
「えっ?
嬉しいけど…」と言いながら黙ってしまうので、
かえってご迷惑なのかなと思ってしまった。
「毎日だと、大変だよ。
朝、早く起きて作ってくれたんでしょ?」
「えっ?」
「美由ちゃん、寝不足にしちゃったら、
申し訳ないし」と気遣ってくださってることが判って、
「やだ。
そんなに大変じゃないですよ?
朝から牛丼屋さんより良いかなって思って…」と言うと、
「ありがとう」と言って、
手を握り締めてくれる。
「今週はね。
今日と金曜は、手術が入ってて、
後はいつもと同じかな?
午前中、外来で、
午後は入院患者さん診て、
夕方には帰る感じ。
平日の夜は、
デート出来ないよね?
土曜日はこないだみたいになると悪いから、
日曜日、朝からデートしたいな」
「今は、デートじゃないの?」
「そっか。
今もデートだね?」
「でも…」
「でも、なに?」
「そんなにたくさん、会ってたら、
亮平さん、私に飽きてしまいますよ?
私、話題も何も持ってなくて、
つまらないもの」
「そんなことないよ。
そんなこというなら、俺だってさ。
仕事ばっかりのつまらないオトコだよ?
気が利いたこととか、言えないしさ。
ケーキ3個、食うし…」と笑う。
「オペがあるなら、
早めに戻って支度した方が良いですよね?
そろそろ戻りますか?」と言うと、
手首のアップルウォッチをチラリと見て頷いた。