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言葉に出来ない
第4章 愛を止めないで〜美由
朝のデートで、
亮平さんが本当に好き嫌いなく、
なんでも食べることに少し驚いていた。

そして、食の好みが合うというのは、
とても有難いことかもしれないと思っていた。


平日の夜に会うのは、
控えていた。


責任あるお仕事をしているので、
翌日の仕事に差し障ったらと考えたのと、
夜に会うのが、少し怖かったからかもしれない。


夜は、時々、
人を惑わせ、狂わせる力を持っているような気がしたから。


そう。
あの、わずかな婚約期間で、
とても穏やかだった彼は、
あの夜、豹変してしまった。


思い出して、身震いしてしまい、
それを追い払うように目を閉じると、


「美由ちゃん、大丈夫?
寒気とか、するの?」と、
亮平さんが心配そうな顔で覗き込む。

カールもスクっと立ち上がる。



大丈夫。
今は朝の光の中だから。



私はぎこちなく笑って、

「大丈夫です」と声を絞り出してみた。
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