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言葉に出来ない
第5章 Yes-No〜亮平
美由ちゃんが揃えてくれたパジャマや下着は、
誂えたようにサイズがぴったりで、
とても肌触りが良い上質なものだった。

髪をガシガシとタオルで拭ってから、
軽くドライヤーを掛けてから歯磨きをして、
リビングに戻ると、
俺が借りたのと同じようなパジャマに、
長めのガウンみたいなカーディガンを羽織った美由ちゃんが、

「これ…」と言って、
白湯を用意してくれていた。


冷たすぎず、熱すきずの白湯を、
二人でソファに座ってのんびり飲んで、
どちらともなく笑顔になってしまう。


「亮平さん、疲れてないですか?
明日のお仕事に差し障らないかしら?」


「全然大丈夫。
着替えに戻るから、
朝のカールの散歩、スーツ姿でおかしいよな?」


「天気予報、雨みたいですから、
朝はお散歩しないでゆっくり朝食取ってから、
お着替えに戻ったらどうでしょうか?」


「そっか。
雨か。
そろそろ梅雨だもんな」と言うと、

「梅雨の時期は偏頭痛で朝、起きれなくて…」と美由ちゃんが少し顔を顰めた。


「偏頭痛?
頭痛外来とかは行った?
あ。
小川教授のお嬢さんだから、
そんなの当たり前か…」と言うと、

「偏頭痛のことなんて、
お父様に話したこと、無いですよ?」と笑う。


俺は急に心配になってしまって、

「ダメだよ。
ちゃんと検査しないと…」と言うと、

「亮平さん、
大袈裟ね?」と更に笑われてしまった。



お客様用の寝室に案内して貰って、

「ここ、小さいシャワーならありますから、
朝、シャワーするなら、
こちらでもどうぞ?」と言って、

「おやすみなさい」と部屋から出ようとした。



「ちょっと待って?
キスだけ、したい」
と言うと、
美由ちゃんは恥ずかしそうに頷いて、
俺の方に一歩近付いて、
少し背伸びをして、
俺の首に腕を回して目を閉じた。


俺は美由ちゃんの背中に腕を回して、
少し屈んで、
両頬にそっとキスしてから、唇を合わせた。


「口、開けて?」と言うと、
そっと柔らかい唇が開く。


舌を差し入れて、
柔らかい美由ちゃんの舌に自分のを絡ませてみると、
真似をするように美由ちゃんも舌を絡ませてくれる。


背中に回す腕につい、力が入ってしまう。
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