この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
唐草の微睡み
第6章 後宮入り
「斎真!痛いわ!強く引っ張りすぎよ!!」
節くれだった細い指のどこにこんな力があるのだろうか。
花凛はあまりの痛さに斎真の手を振りほどこうとしたが、びくともしない。
急に斎真が止まり、後ろを振り返る。
手を離してくれるのかと思ったら花凛の訴えは無視して、
「花凛様は、これからすぐに皇帝陛下に謁見していただきます。その後、花凛様の居室にご案内致します。これからのことは、その時にご説明申し上げます。では、参ります。」
「きゃ!」
ぐいっと引っ張られて、薄暗い廊下を奥へ奥へと進んで行く。
「花凛様。さぁ、こちらです。」
美しく金で装飾された大きな扉の前で二人は立ち止まった。
左右には真っ赤な鳳凰が描かれており、その周りを囲むように金で美しく雲の模様が描かれている。
門の前には朝服を来た男が二人立っている。
「花凛様…陛下にはくれぐれも失礼の無いように。あと、この扉が開いたら前を向いてはなりません。皇帝を直接見てはなりません。下を向いてまっすぐお進みください。」
「分かりましたね。」
斎真がそういうと、二人の男が重そうに扉を開ける。
ギィーギギー…
薄暗い廊下とはうって変わって、明るい日差しの差し込む大きな空間が広がっている。
「花凛様。さぁ。」
斎真に促されて、花凛は頭を下げて進み出た。
節くれだった細い指のどこにこんな力があるのだろうか。
花凛はあまりの痛さに斎真の手を振りほどこうとしたが、びくともしない。
急に斎真が止まり、後ろを振り返る。
手を離してくれるのかと思ったら花凛の訴えは無視して、
「花凛様は、これからすぐに皇帝陛下に謁見していただきます。その後、花凛様の居室にご案内致します。これからのことは、その時にご説明申し上げます。では、参ります。」
「きゃ!」
ぐいっと引っ張られて、薄暗い廊下を奥へ奥へと進んで行く。
「花凛様。さぁ、こちらです。」
美しく金で装飾された大きな扉の前で二人は立ち止まった。
左右には真っ赤な鳳凰が描かれており、その周りを囲むように金で美しく雲の模様が描かれている。
門の前には朝服を来た男が二人立っている。
「花凛様…陛下にはくれぐれも失礼の無いように。あと、この扉が開いたら前を向いてはなりません。皇帝を直接見てはなりません。下を向いてまっすぐお進みください。」
「分かりましたね。」
斎真がそういうと、二人の男が重そうに扉を開ける。
ギィーギギー…
薄暗い廊下とはうって変わって、明るい日差しの差し込む大きな空間が広がっている。
「花凛様。さぁ。」
斎真に促されて、花凛は頭を下げて進み出た。