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唐草の微睡み
第6章 後宮入り
広い部屋には百人近い人間がいるのに、それを感じさせないほど静まり返っていた。
花凛の衣ずれの音だけが聞こえる。
広間の奥、玉座の前まで来て、花凛は跪くように促される。
花凛が跪くと斎真は恭しく挨拶を述べて、花凛がやって来たことを告げた。
「陛下におかれましてはご機嫌麗しく…。この者は陛下の御従姉に当たり、この度正妃候補として後宮に入ります花凛と申します。」
「そうか。良く来てくれた。後宮の生活は不馴れな点も多いだろう。この斎真になんでも聞くと良い。」
龍星の声が頭の上から降ってくる。
「もったいないお言葉…」
斎真が深々と頭を下げる。
「それでは…失礼致します。」
「ふむ。」
結局、一言も発しないまま、花凛は立ち上がって部屋を後にすることになった。
花凛の衣ずれの音だけが聞こえる。
広間の奥、玉座の前まで来て、花凛は跪くように促される。
花凛が跪くと斎真は恭しく挨拶を述べて、花凛がやって来たことを告げた。
「陛下におかれましてはご機嫌麗しく…。この者は陛下の御従姉に当たり、この度正妃候補として後宮に入ります花凛と申します。」
「そうか。良く来てくれた。後宮の生活は不馴れな点も多いだろう。この斎真になんでも聞くと良い。」
龍星の声が頭の上から降ってくる。
「もったいないお言葉…」
斎真が深々と頭を下げる。
「それでは…失礼致します。」
「ふむ。」
結局、一言も発しないまま、花凛は立ち上がって部屋を後にすることになった。