この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
唐草の微睡み
第6章 後宮入り
(なんか、謁見って言われて緊張してたのがバカみたいだったなぁ~。)
このような事を考えながら、自分の新しい居室に向かうべく、斎真の後をついて歩いている。
「こちらでございます。」
斎真が扉を開けて花凛を招き入れる。
そこは、花凛の前の居室に比べて倍以上もある大きな部屋で、しかも寝室と浴室まで付いていると言う。
「広い…」
驚きのあまりの、ポカンと口を開けて部屋を見渡してしまう。
「んっんっん!」
斎真の咳払いで、はっと我にかえり。
「花凛様。これから大切なことを申し上げますから、良くお聞きください。花凛様は明日から正妃になるための教育を受けていただきます。本来ならば、少なくとも半年、通常ですと1年ほどかけていただくのですが、陛下のご希望と政治的な意味合いから、早く花凛様には正妃になっていただかなくてはならず、明日から3カ月で全てのことを学んでいただきます。明日からは毎日博士がこちらに伺い花凛様に講義をさせていただきます。あと、花凛様は後宮内を好き勝手にお歩きにならないように。こちらはくれぐれも宜しくお願いします。他に何かご質問は?」
早口で一気に言われて、
「…あの…ここに来るときに書物を持ってきたのですが、それはどこに…?」
「あ…。あの書物でしょうか?花凛様は私どもが選んだもの以外読む必要がありません。申し訳ありませんが、処分させていただきました。」
「えっ?!処分?!!」
「全て処分してしまったのですか?」
「はい。一冊残らず。」
「ひ…ひどい…。」
花凛の声が震える。
「申し訳ありませんが、それが決まりです。」
花凛は今にも泣きそうな顔をしているのに、感情の無い返事が帰ってくる。
「それでは、夕食の時刻までゆっくりお休みください。」
深々とお辞儀をして、斎真は部屋を出ていった。
このような事を考えながら、自分の新しい居室に向かうべく、斎真の後をついて歩いている。
「こちらでございます。」
斎真が扉を開けて花凛を招き入れる。
そこは、花凛の前の居室に比べて倍以上もある大きな部屋で、しかも寝室と浴室まで付いていると言う。
「広い…」
驚きのあまりの、ポカンと口を開けて部屋を見渡してしまう。
「んっんっん!」
斎真の咳払いで、はっと我にかえり。
「花凛様。これから大切なことを申し上げますから、良くお聞きください。花凛様は明日から正妃になるための教育を受けていただきます。本来ならば、少なくとも半年、通常ですと1年ほどかけていただくのですが、陛下のご希望と政治的な意味合いから、早く花凛様には正妃になっていただかなくてはならず、明日から3カ月で全てのことを学んでいただきます。明日からは毎日博士がこちらに伺い花凛様に講義をさせていただきます。あと、花凛様は後宮内を好き勝手にお歩きにならないように。こちらはくれぐれも宜しくお願いします。他に何かご質問は?」
早口で一気に言われて、
「…あの…ここに来るときに書物を持ってきたのですが、それはどこに…?」
「あ…。あの書物でしょうか?花凛様は私どもが選んだもの以外読む必要がありません。申し訳ありませんが、処分させていただきました。」
「えっ?!処分?!!」
「全て処分してしまったのですか?」
「はい。一冊残らず。」
「ひ…ひどい…。」
花凛の声が震える。
「申し訳ありませんが、それが決まりです。」
花凛は今にも泣きそうな顔をしているのに、感情の無い返事が帰ってくる。
「それでは、夕食の時刻までゆっくりお休みください。」
深々とお辞儀をして、斎真は部屋を出ていった。