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唐草の微睡み
第7章 甘い果実
コンコン…
コンコン…

部屋の扉を叩く音がする。

「…ん…なに?」

コンコン…
コンコン…

(だ…誰なの?)
辺りは静まり返り、すでに周りの人間は寝静まったころのようだ。

(こ、怖い…嫌だ…どうしようっ!)

コンコン…
コンコン…

「花凛?花凛??」
聞き覚えのある声が外から聞こえる。

「龍星?龍星なの?」

「花凛。寝てたか?悪い。」

「ううん。起きたわ。今開けるね。」
花凛が扉を開けると、花凛の中庭に来たときのような髪を軽く後ろに束ねてゆったりとした着物をまとった龍星がいた。

「どうしたの?」
驚く花凛に龍星は、

「いや。夜這いだよ。夜這い。」
と、にっこり笑う。

「夜這い?!何考えてるの?!」

「花凛のことだけ。」

「はぁ?!」

そんなやり取りをしていて、龍星はふと泣き腫らして真っ赤になった花凛の目に気付いて、
「花凛?お前泣いてたのか?!」

「…?!う…ううん。泣いてないよ…。」

「いや。泣いてただろ?」

「泣いてないって!」
(うわ…。どうしようっ!言い訳できないよ!斎真に書物を捨てられたなんて言ったら、龍星は心配するだろうしな…。)

「なんだよ。言えよ。」

「だから、泣いてないって!ところで、龍星?!夜這いってどういうことよ!!」

「あっはっはっはっ!そうそう!これをさ、花凛と食べようと思ってさ。」
龍星は後ろに隠していた左手をにゅっと前につき出す。

龍星の左手には篭か握られていて、そのなかには見たことのない実が入っていた。

「…???なにこれ???」

「今日届いたんだけと、南からの果物だよ。ライチって言うんだ。」

「ライチ???」

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