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唐草の微睡み
第7章 甘い果実
ゴツゴツした茶色の小さな実を手のひらに乗せて、花凛の目の前に持ってくる。

「…果物?美味しいの?」

「めちゃくちゃ美味しいよ。花凛と食べようと思ってさ、くすねてきたんだ!」
子供の様に笑いながら話す龍星を見て、落ち込んでいた気持ちが一気に晴れた。

「食べてみろよ!」

「うん…ありがとう。…で、これどうやって食べるの?固そうだよね?これ、皮なの?このまま食べるの?」
龍星からライチを受け取った花凛は、指でつまんでくるくると回転させて観察している。

「あぁ。これはね。ここを剥くんだよ。ほら食べな。」
龍星は篭からもう1つライチを取り出して、皮を剥き花凛に渡してくれた。

「種があるから気を付けろよ。」

「ありがとう…」
龍星から受け取り、恐る恐るかじりつく。
口に入れた瞬間甘い果汁が口の中に広がり、花凛の顔が自然と笑顔になる。

「美味しいっ!!」

「ねっ!美味しいでしょ!!」

「もっと食べなよ。」
篭ごと花凛の前に差し出す。

「うん!食べる!」

夕食を摂っていなかったためお腹が空いていた花凛は、ライチに夢中になる。

「…ん?あれ??剥けない??」

「えっ?剥けない?貸してみろよ。」
龍星は花凛の手の中にあるライチを奪うようにして取ると、器用に皮を剥いてくれた。

「口開け。ほらよっ。」
龍星が花凛の口の中にライチを押し込んできた。

「お前、もしかして不器用なのか?」

「ふぉっといてよ!」

「おいおい。話すが食べるかどっちかにしろよ。」
花凛の顔が真っ赤になる。

「俺も食べよっと。」
花凛の膝の上にあるライチを取り上げて口に運ぶ。

「花凛。今日は綺麗だったぜ。」

「え?」

「だから。馬子にも衣装っていうのかな?今日の花凛は綺麗だったって言ってるんだよ。」

「な…!ま、馬子にも衣装?!!龍星のバカ!!!」
花凛は篭を龍星に押し付けると、立ち上がった。

「おい。どこ行くんだよ。」


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