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唐草の微睡み
第1章 はじまりの日
「龍星様!返してくださいっ!」
花凛は立ち上がって取り返そうと手を伸ばしたが、龍星はひらりと身を交わし、花凛の手を掴んでそのまま自分の胸元にぐいっと引っ張った。
花凛はよろけて、龍星の胸元に自分から飛び込んでしまい、自然と龍星の腕の中にすっぽりと収まってしまった。
「なっ?!何をなさるんですか?!お離しくださいっ!」
書物を右手に持ったまま、左手できつく花凛の肩を抱きしめる。
花凛は、腕を振り払おうともがくが、お構い無しに龍星は、
「花凛。龍星様なんて白々しい。昔みたいに龍星って呼んでよ。」
と、耳元で囁く。
恥ずかしくなって、モジモジしていると、抱きしめる腕に力を込めて、花凛の華奢な身体を締め付ける。
「いっ…痛いっ!止めてくださいっ!」
「嫌だ。止めない♪」
顔を見上げると、龍星は悪戯っ子のように笑っている。
遠い昔に見た龍星の顔を思い出して、花凛は懐かしくなった。
だが、きつく抱きしめられた肩は痛いものは痛い。
「……わ…分かったわよ…。」
花凛はすうぅっと息を吸い込ん気合いを溜めると、
「龍星、いい加減離して!」
ドカッ…!
「あっはっはっはっはっはっ!!お前、全然変わって無いなぁ!効いた効いた!!」
弾けたように笑って、脇腹を押さえながら龍星が後ずさっていく。
「あっはっは!まさか、肘鉄を食らうとわね。今のは痛かった!」
「龍星が教えてくれたのよ。それ。変な男に抱き付かれたりしたらこうしなさいって。それに、兵書も。これは、面白いから読みなさいって。」
「そうだね!その通りだよ!」
肘鉄をもろに食らったのに、何だか満足そうに笑っている。
花凛は立ち上がって取り返そうと手を伸ばしたが、龍星はひらりと身を交わし、花凛の手を掴んでそのまま自分の胸元にぐいっと引っ張った。
花凛はよろけて、龍星の胸元に自分から飛び込んでしまい、自然と龍星の腕の中にすっぽりと収まってしまった。
「なっ?!何をなさるんですか?!お離しくださいっ!」
書物を右手に持ったまま、左手できつく花凛の肩を抱きしめる。
花凛は、腕を振り払おうともがくが、お構い無しに龍星は、
「花凛。龍星様なんて白々しい。昔みたいに龍星って呼んでよ。」
と、耳元で囁く。
恥ずかしくなって、モジモジしていると、抱きしめる腕に力を込めて、花凛の華奢な身体を締め付ける。
「いっ…痛いっ!止めてくださいっ!」
「嫌だ。止めない♪」
顔を見上げると、龍星は悪戯っ子のように笑っている。
遠い昔に見た龍星の顔を思い出して、花凛は懐かしくなった。
だが、きつく抱きしめられた肩は痛いものは痛い。
「……わ…分かったわよ…。」
花凛はすうぅっと息を吸い込ん気合いを溜めると、
「龍星、いい加減離して!」
ドカッ…!
「あっはっはっはっはっはっ!!お前、全然変わって無いなぁ!効いた効いた!!」
弾けたように笑って、脇腹を押さえながら龍星が後ずさっていく。
「あっはっは!まさか、肘鉄を食らうとわね。今のは痛かった!」
「龍星が教えてくれたのよ。それ。変な男に抱き付かれたりしたらこうしなさいって。それに、兵書も。これは、面白いから読みなさいって。」
「そうだね!その通りだよ!」
肘鉄をもろに食らったのに、何だか満足そうに笑っている。