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唐草の微睡み
第7章 甘い果実
「…はっ!……んんんぁ!!!」
ビクンッと花凛の身体が跳ね上がる。

それを確認してから、指を少し曲げて力を込めると、中からライチがコロリと出てきた。

「花凛…やっとでた。」
ニヤリと龍星が笑う。

「…はぁ…はぁ…はぁ…。」
花凛の白い腹が上下に動いている。

龍星は、花凛の身体に覆い被さると耳元で囁く。
「花凛…やっぱり俺が来る前に泣いてたでしょ。なんでか教えてよ。」

「…はぁ…はぁ…そ、そんな…泣いてない…から。」

「嘘つき。花凛は、俺に嘘をつくんだ。」

「う…嘘じゃ…」

「ふーん。じゃ、俺が当ててやるよ。斉真になんかされたか、言われたんだろ。」

「えっ?!」
花凛の顔色か変わる。

「当たり。」
龍星は花凛の鼻先をちょんと小突く。

「斉真はさ。生き甲斐なんだよ。俺のために職務を全うして生きていくことが。きちっと決まったことを決まった通りに進めて行くことが、俺のため国のためって本気で思ってるんだよ。だから多分、しきたりだとか決まりだとか言って、花凛になんか押し付けてきたんだろ?」

「…そ、そんなことはっ!」

「良いよ。言いたくないんだったら。でも、本当に辛かったり困ったことがあったら、なんでも俺に相談するんだよ。」
龍星が優しく微笑む。

「うん…ありがとう…」
龍星は花凛の隣に身体を移し、優しく抱き締めてくれた。
いつの間にか花凛は、龍星の優しい腕の中で眠ってしまった。
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