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唐草の微睡み
第8章 妃になるために
とにかく房中術の講義は免除されたが、それでも学ぶべきことは多岐に渡っており、花凛は多忙な毎日を送っていた。
龍星も政が忙しいのか、あの朝にやってきて以来、花凛の部屋に来ることはなかった。
龍星に会えないのは寂しくもあったが、花凛自身毎日の課題をこなすので精一杯で、そんな余裕も無かった。
斉真はと言うと相変わらず、あれをやってはいけない、これが決まりだと毎日小うるさく花凛に小言を言ってくるが、あの朝の一件以来それも可愛らしく思えてきて、いちいち落ち込まなくなっていた。
花凛が後宮に来て3ヵ月が過ぎようとしていた。
その日は朝から雨だった。
午前中の講義が終わり午後の講義が始まるまでの僅かな間、花凛はお茶を入れて束の間のゆっくりした時間を過ごしていた。
(よく降るわね。ここに来て3ヵ月かぁ…。早いなぁ。)
そんなことを思いながら、窓の外を眺めていると、
「花凛様。失礼します。」
斉真が部屋に入ってきた。
また小言かと花凛は大きなため息をついて、席を立ち斉真を招くと、
「斉真も飲む?」
と、お茶をすすめてやった。
「いえ。結構でございます。今日は陛下と花凛様のご婚礼の儀の日取りが決まりましたのでお知らせに参りました。」
「婚礼の儀?!」
急な話に、花凛は手に持っていた椀を危うく落としそうになった。
「はい。1カ月後です。」
「1カ月後に…婚礼…?」
花凛は実感がわかない。
「これからは今まで以上にお忙しくなりますぞ。詳細は後ほど…今夜にでもゆっくりお話し致します。では…。」
斉真は深々とお辞儀をして、部屋を出ていった。
龍星も政が忙しいのか、あの朝にやってきて以来、花凛の部屋に来ることはなかった。
龍星に会えないのは寂しくもあったが、花凛自身毎日の課題をこなすので精一杯で、そんな余裕も無かった。
斉真はと言うと相変わらず、あれをやってはいけない、これが決まりだと毎日小うるさく花凛に小言を言ってくるが、あの朝の一件以来それも可愛らしく思えてきて、いちいち落ち込まなくなっていた。
花凛が後宮に来て3ヵ月が過ぎようとしていた。
その日は朝から雨だった。
午前中の講義が終わり午後の講義が始まるまでの僅かな間、花凛はお茶を入れて束の間のゆっくりした時間を過ごしていた。
(よく降るわね。ここに来て3ヵ月かぁ…。早いなぁ。)
そんなことを思いながら、窓の外を眺めていると、
「花凛様。失礼します。」
斉真が部屋に入ってきた。
また小言かと花凛は大きなため息をついて、席を立ち斉真を招くと、
「斉真も飲む?」
と、お茶をすすめてやった。
「いえ。結構でございます。今日は陛下と花凛様のご婚礼の儀の日取りが決まりましたのでお知らせに参りました。」
「婚礼の儀?!」
急な話に、花凛は手に持っていた椀を危うく落としそうになった。
「はい。1カ月後です。」
「1カ月後に…婚礼…?」
花凛は実感がわかない。
「これからは今まで以上にお忙しくなりますぞ。詳細は後ほど…今夜にでもゆっくりお話し致します。では…。」
斉真は深々とお辞儀をして、部屋を出ていった。