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唐草の微睡み
第9章 月夜の晩に
婚礼の儀まであと14日。
準備も佳境に入り、花凛は忙しい毎日を送っていた。
その日も出来上がった衣装の最終チェックが終わらず、花凛は1日中なん着もの衣装を着たり脱いだりを繰り返し、部屋に帰って来たときはくたくたに疲れ果てていた。
「疲れたぁ…」
花凛は窓際の椅子に身体を預けて、女官に入れてもらったお茶をすすっていた。
「ありがとう。もう良いわ。貴女も休んで。」
花凛は女官を帰して、ゆったりとした時間を楽しんでいた。
「…もうあと14日かぁ。全然実感わかないなぁ…」
ぼやっと呟く。
「俺もだよ。」
「えっ?!」
窓の外で声がして、花凛は勢い良く窓を開けた。
「危ねー!そうやって急に開ける癖やめろよっ!」
いつぞやは花凛が急に開けた窓に頬をぶつけてしまった龍星だったが、今度は避けきれたらしい。
「あっ!龍星!!」
「あっ!龍星じゃないよっ!全くっ!」
龍星が膨れっ面で入ってくる。
それが面白くて、花凛は弾けたように笑い出す。
「笑いごとじゃないよっ!俺は頬を腫らして婚礼の儀に挑むなんて嫌だからな。」
龍星が凄めば凄むほど、花凛の笑いのツボにはまってしまうらしく、笑いが止まらない。
最初は呆れていた龍星だったが、とうとうつられて一緒に笑いだしてしまった。
ひとしきり笑って、
「さて…。」
龍星は咳払いをひとつしてから、話を切り出した。
「花凛…。俺もなんだよ。お前、さっき言ってたろ。実感無いって。」
「あっ。うん。」
「今日ここに来たのは、それを確かめたかったんだ。」
「えっ?うん。」
なんだか龍星の言いたいことが、花凛には良くわからない。
「確かめるって?どうやって?」
準備も佳境に入り、花凛は忙しい毎日を送っていた。
その日も出来上がった衣装の最終チェックが終わらず、花凛は1日中なん着もの衣装を着たり脱いだりを繰り返し、部屋に帰って来たときはくたくたに疲れ果てていた。
「疲れたぁ…」
花凛は窓際の椅子に身体を預けて、女官に入れてもらったお茶をすすっていた。
「ありがとう。もう良いわ。貴女も休んで。」
花凛は女官を帰して、ゆったりとした時間を楽しんでいた。
「…もうあと14日かぁ。全然実感わかないなぁ…」
ぼやっと呟く。
「俺もだよ。」
「えっ?!」
窓の外で声がして、花凛は勢い良く窓を開けた。
「危ねー!そうやって急に開ける癖やめろよっ!」
いつぞやは花凛が急に開けた窓に頬をぶつけてしまった龍星だったが、今度は避けきれたらしい。
「あっ!龍星!!」
「あっ!龍星じゃないよっ!全くっ!」
龍星が膨れっ面で入ってくる。
それが面白くて、花凛は弾けたように笑い出す。
「笑いごとじゃないよっ!俺は頬を腫らして婚礼の儀に挑むなんて嫌だからな。」
龍星が凄めば凄むほど、花凛の笑いのツボにはまってしまうらしく、笑いが止まらない。
最初は呆れていた龍星だったが、とうとうつられて一緒に笑いだしてしまった。
ひとしきり笑って、
「さて…。」
龍星は咳払いをひとつしてから、話を切り出した。
「花凛…。俺もなんだよ。お前、さっき言ってたろ。実感無いって。」
「あっ。うん。」
「今日ここに来たのは、それを確かめたかったんだ。」
「えっ?うん。」
なんだか龍星の言いたいことが、花凛には良くわからない。
「確かめるって?どうやって?」