この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
唐草の微睡み
第9章 月夜の晩に
「花凛!もう顔を出して良いぞ。」

龍星に言われて、花凛は恐る恐る顔を上げる。

「まだ立つなよ。着くまで座ってろ。」

「う…うん。」


顔を上げた花凛が見たものは、眩いばかりの提灯の群れだった。

何艘もの船が提灯の明かりに照らされて川に浮かんでいる。
川岸には何軒もの店が立ち並び、大勢の人が行き交っている。

「す…すごいっ!こんな夜中に、すごい賑わい!!今日はお祭りかなにかなの?!」
花凛が興奮して龍星に聞くと、

「お祭り?あっはっはっは!!違う違う。これがいつもだよ。」
と教えてくれた。

「いつも?!」
花凛が目を丸くする。

「花凛。着いたよ。」
古びた船着き場に船は停まり、龍星はひらりと船から飛び降りる。
手際よく船をロープで繋ぎ、花凛に手を差し出す。

「さぁ、掴まって。」

「あっ…ありがとう。」



「さぁ、花凛。どこに行きたい?」
楽しそうに龍星が聞いてくれたが、

「えっ?どこって…初めて来たのに、どこって言われても。」
花凛は戸惑ってしまう。

すべてが花凛にとって初めての経験だった。

宮廷を脱走したこと、
小さな船に乗ったこと、
行き交う人の多さ、
物売りの声や客引きの声、
時おり居酒屋から聞こえてくる酔っぱらいの嬌声…

すべてが面白くて、花凛は目を輝かせながらきょろきょろして歩いている。

その様子をみた龍星は、
「じゃ、ぷらぷら歩いて花凛が行きたいところが見つかればそこに行けば良い。」
と言ってくれた。

/80ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ