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唐草の微睡み
第9章 月夜の晩に
「ありがとうっ!」
初めは龍星の良く分からない提案に、仕方なし乗ってみた花凛だったが、いつの間にか気分がワクワクして、龍星と街を歩くことを楽しんでいる。
「手を離すなよ。」
龍星は花凛が迷子にならないように、ぎゅっと手を握り締めてくれた。
「お前には、腰に紐を付けておきたいぐらいだ。どうせ、面白いものを見つけたら、すぐに1人で駆けて行ってしまうだろ。」
龍星は花凛の怒りを買うような、また言わなくても良いことを言った。
だが、花凛は街に夢中で、龍星の言葉はまったく耳に届いていないようだった。
花凛をからかって楽しもうと思っていたのにアテが外れて、龍星はちっ!と舌打ちをして、道端の石をポンッと蹴った。
それどころか、
「何あれ?!」
と興味のあるものを見つけては龍星の腕をぐいぐいと引っ張って連れて行く。
手を離すわけにもいかないし、まるで小さな子供のようだ。
龍星は苦笑しながら、花凛の後を付いて回った。
「あれは?」
その店は軒先から甘い香りを漂わせ、多くの女性の達を集めていた。
「あれか?よし、行ってみよう。」
その店は、揚げた餅に甘い胡桃の餡を掛けて売っていた。
店の奥には何脚かの椅子と机が置いてあり、中で食べられるようになっている。
「食うか?」
「うん!食べたい!
龍星はあれ食べたことあるの?」
初めて見る食べ物に、興味津々だ。
「いや、無い。よし!食べようっ!」
先に席で待つ花凛のところに、龍星が小さな皿を2つ持って帰ってきた。
「ありがとう!おいしそう~」
「熱そうだな?気を付けろよ。」
初めは龍星の良く分からない提案に、仕方なし乗ってみた花凛だったが、いつの間にか気分がワクワクして、龍星と街を歩くことを楽しんでいる。
「手を離すなよ。」
龍星は花凛が迷子にならないように、ぎゅっと手を握り締めてくれた。
「お前には、腰に紐を付けておきたいぐらいだ。どうせ、面白いものを見つけたら、すぐに1人で駆けて行ってしまうだろ。」
龍星は花凛の怒りを買うような、また言わなくても良いことを言った。
だが、花凛は街に夢中で、龍星の言葉はまったく耳に届いていないようだった。
花凛をからかって楽しもうと思っていたのにアテが外れて、龍星はちっ!と舌打ちをして、道端の石をポンッと蹴った。
それどころか、
「何あれ?!」
と興味のあるものを見つけては龍星の腕をぐいぐいと引っ張って連れて行く。
手を離すわけにもいかないし、まるで小さな子供のようだ。
龍星は苦笑しながら、花凛の後を付いて回った。
「あれは?」
その店は軒先から甘い香りを漂わせ、多くの女性の達を集めていた。
「あれか?よし、行ってみよう。」
その店は、揚げた餅に甘い胡桃の餡を掛けて売っていた。
店の奥には何脚かの椅子と机が置いてあり、中で食べられるようになっている。
「食うか?」
「うん!食べたい!
龍星はあれ食べたことあるの?」
初めて見る食べ物に、興味津々だ。
「いや、無い。よし!食べようっ!」
先に席で待つ花凛のところに、龍星が小さな皿を2つ持って帰ってきた。
「ありがとう!おいしそう~」
「熱そうだな?気を付けろよ。」