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唐草の微睡み
第9章 月夜の晩に
「いらっしゃいませ~!」
中に入ると、元気のいい声が飛んできた。

「どうぞこちらへ~。」

2人が案内されたのは、奥の方にある静かな席だった。


「小籠包と海老焼売と海老餃子ね。あと海老饅頭に海老団子。それから、春巻きも。」
座席に着くなり、龍星がすごい勢いで注文する。

「あっ。花凛。なんか食いたいものある?」
と忘れていたかのように、花凛の方を向く。

「あっ…いや…。私もそれで良い。」
龍星の勢いに圧倒されてしまった。

「そう。じゃ、後はお酒もよろしく♪」

(なによっ!人のこと太るとか言っといて、龍星だって似たようなもんじゃない。)




「お待たせしました~。」
せいろに入った、アツアツの点心と酒が運ばれてくる。
美味しそうな香りが、湯気に乗って漂う。


「うまそーっ♪」
龍星が嬉しそうな声を上げる。

「おい、お前も飲めよ。酒飲んだことあるか?」
龍星は花凛に杯を持たせて、酒を注いでくれた。

「お酒なんて飲んだことないよっ!酔っぱらっちゃったらどうするの?!」

「大丈夫だよ。俺が担いで帰ってやるから。」
自分の杯に手酌で注いでから高々と杯を上げて、花凛が杯を上げるのを待っている。

仕方なしに花凛も龍星の杯の高さまで上げるしかなかった。

「じゃ、カンパーイ♪」

花凛は、目を瞑ってぐいっと飲み切った。

「……んっ?!なにこれっ?!美味しいっ~~♪」

「おっ!そりゃ良かった♪飲もうぜっ!」


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