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唐草の微睡み
第1章 はじまりの日
「そんなの無いよ。まぁ、こういう時は仕様がないんじゃない?じゃ、俺行くから。後で使いを寄越すから。この後のこと、色々聞いてね。」

「ちょっ!待ってよ!」

言いたいことだけを言って、くるりと背を向けた龍星のを引き戻そうと、花凛は慌てて龍星の手首を掴んで引っ張った。

しかし、逆に強い力で手首を持ったまま引き寄せられてしまい、両手でがっしりと抱きしめられてしまった。

「今日、2回目だな。お前、俺のこと好きだろ。」
「はっ?!ふざけないで!」

バチンッ!!

「今度は平手打ちかよ!花凛と一緒にいると飽きないな♪じゃ、またな!」

龍星は、ぶたれたのに嬉しそうに手を振って中庭から伸びる回廊を帰って行った。


「なんなの?!あの男??!昔から変だとは思ってたけど、ここまでとはっ!信じれないっ!」
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