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あの海の果てまでも
第6章 秋桜の涙 〜絢子の告白〜
そんなことを考えている方子に、絢子は更に意外なことを尋ねてきた。
「お母様。ホテルカザマからの夜会の招待状は届いていますよね?
…その夜会、私も出席しても良いかしら?」
「まあ!絢子さん…!どうなさったの?」
思わず尋ね返した。
内気な絢子が社交界デビューしてから出席した夜会やお茶会はほんの僅か…片手で足りるほどだ。
それも方子が根気強く説得し、漸く出席に漕ぎ着いたのだ。
だから絢子が自分から夜会に出たいなどという言葉は、方子には信じられないほどであった。
「…雪子様に誘われたの…。
…それから…その…春馬様もいらっしゃるのですって…」
絢子の白くほっそりした頸は、桜の花弁のように薄紅色に染まっていた。
「お母様。ホテルカザマからの夜会の招待状は届いていますよね?
…その夜会、私も出席しても良いかしら?」
「まあ!絢子さん…!どうなさったの?」
思わず尋ね返した。
内気な絢子が社交界デビューしてから出席した夜会やお茶会はほんの僅か…片手で足りるほどだ。
それも方子が根気強く説得し、漸く出席に漕ぎ着いたのだ。
だから絢子が自分から夜会に出たいなどという言葉は、方子には信じられないほどであった。
「…雪子様に誘われたの…。
…それから…その…春馬様もいらっしゃるのですって…」
絢子の白くほっそりした頸は、桜の花弁のように薄紅色に染まっていた。