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あの海の果てまでも
第6章 秋桜の涙 〜絢子の告白〜
「お母様…?
よろしいの?」
眼を丸くする絢子の艶やかな髪を優しく撫でる。

「ええ、もちろん。
夜会で大紋様に今日のお礼を申し上げなくてはね」

…貴女の初恋は、お母様が叶えて差し上げるわ…。

方子は心の中で呟いた。

…私はとうとう叶えられなかった美しい初恋を…。

「そうと決まればまずはお返事と…絢子さんのお召し物ね。
いつもお振袖ではつまらないわ。
夜会は舞踏会ですもの。
ドレスが良いわね。
以前、横浜のマダム・フィガロの店で、誂えた鴇色のタフタのドレスがあったわね。
あれにいたしましょう。
色白の絢子さんにきっとよくお似合いだわ」

…それから…

方子は絢子の白くきめ細やかな頬を撫でる。

「…絢子さん。
ワルツの練習をなさらなければね。
貴女、ワルツは女学校で少し習っただけでしょう」
「…え?
ワ、ワルツ?」
たじろぐ絢子を方子は優しく抱きしめる。
「大丈夫ですよ。ご心配なさらないで。
急いで優秀なダンスの先生を手配します」

まだ何の穢れも知らぬ無垢な娘の瞳を見つめ、方子は微笑んだ。

「…初めてのワルツはね、お慕いしている殿方と踊るものなのですよ」







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