この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
あの海の果てまでも
第6章 秋桜の涙 〜絢子の告白〜
春馬がやや驚いたように凛々しい眉を上げる。
「私と?」

「ええ、お兄様と。
絢子さん、社交界デビューなさったばかりなのよ。
ワルツもまだあまり踊られたことはないの。
お兄様は夜会に慣れていらっしゃるし、何よりワルツがお上手じゃない?
今宵は絢子さんをエスコートして差し上げてよ」

急な展開に絢子の全身がかっと熱を持ったように熱くなる。
…舞踏会のワルツ…。
最初と最後のワルツ…。
それは相思相愛の相手と踊るもの。
特別な、暗黙の了解のもの。
それくらいの知識は、絢子にもあった。

春馬は穏やかな微笑みを浮かべながら一瞬、傍らの暁に視線を向け…やがて、朗らかに答えた。
「…絢子さんには私などよりもっと相応しいお相手はたくさんおられるでしょう。
もっとお若い名門ご出身のご子弟が…。
第一私は貴族ではないし、子爵令嬢の絢子さんと踊るには分不相応です。
それこそ、絢子さんにご迷惑をお掛けすることに…」

「いいえ、大紋様。
そのようなことはございませんわ。
ぜひとも、娘と踊っていただけますように心よりお願い申し上げます」

…絢子の背後から、丁寧だがきっぱりとした方子の声が飛んだ。


/230ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ