この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
あの海の果てまでも
第2章 新月の恋人たち
「…道ならぬ恋ゆえに、周りの方を苦しめ悩ませ…それでも、お相手の手を離すことができずに、この遠い異国まで逃げていらした…。
愛するひとと一緒にいるのに、常に残してきてしまったひとのことを考えてしまう…。
そして、つい歩みを止めてしまう…。
…それが貴方でしょう?」
…まるで占い師だ。
自分の心の中を、覗かれたようだ。
暁は息を呑んだ。
「…どうして…そんな…」
朱は美しい…けれどどこかはっとするような哀惜が漂う微笑みを浮かべた。
「…私がそうだからですよ…」
愛するひとと一緒にいるのに、常に残してきてしまったひとのことを考えてしまう…。
そして、つい歩みを止めてしまう…。
…それが貴方でしょう?」
…まるで占い師だ。
自分の心の中を、覗かれたようだ。
暁は息を呑んだ。
「…どうして…そんな…」
朱は美しい…けれどどこかはっとするような哀惜が漂う微笑みを浮かべた。
「…私がそうだからですよ…」