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あの海の果てまでも
第2章 新月の恋人たち
「…道ならぬ恋ゆえに、周りの方を苦しめ悩ませ…それでも、お相手の手を離すことができずに、この遠い異国まで逃げていらした…。
愛するひとと一緒にいるのに、常に残してきてしまったひとのことを考えてしまう…。
そして、つい歩みを止めてしまう…。
…それが貴方でしょう?」

…まるで占い師だ。
自分の心の中を、覗かれたようだ。
暁は息を呑んだ。
「…どうして…そんな…」

朱は美しい…けれどどこかはっとするような哀惜が漂う微笑みを浮かべた。

「…私がそうだからですよ…」


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