この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
あの海の果てまでも
第2章 新月の恋人たち
「…朱さんが…?」

驚く暁に、朱は静かに二杯目のお茶を淹れ、美しい所作で勧める。

「…ええ。そうです。
…もう随分と昔の話ですが…」

…聴かれますか?

白い花が嫋やかに咲くように、朱は微笑んだ。

「聴きたいです」
暁は頷いた。 
…この謎めいた、ぞっとするほどに美しく艶めいたひとが、自分と同じ恋の逃亡者だったとは…。
そうして、なぜここで暮らしているのか、恋人は何処にいるのか…。
聴きたくて、堪らなくなったのだ。

…不意に店先に吊るされた鳥籠の中で、金絲雀が囀るように長く鳴いた。

朱は、その美しい鳴き声に暫し耳を傾け、やがてその形の良い口唇を開いた。

「…それでは、お話しましょう。
…愚か者の哀しい恋の話しを…」




/230ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ