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あの海の果てまでも
第3章 新月の恋人たち 〜朱浩藍の告白〜
見知らぬ青年にいきなり自分の名を呼ばれ、浩藍は驚いた。
…なぜ、自分の名前を知っているのだろう…。
『…あ…』
おずおずと後退りする浩藍に青年は優しく微笑みながら、歩み寄る。
…ふわりと良い薫りが漂う。
浩藍の知らぬ中国のお香なのかも知れない。
『…驚いた。
女の子かと思ったよ…。
弟だ…とお父様に聴いていたからね』
『…え…?』
…じゃあ…。
浩藍の胸の内が伝わったのか、青年は涼やかな眼差しで微笑んだ。
『僕は佑炎。
…君の、兄さんだよ』
…なぜ、自分の名前を知っているのだろう…。
『…あ…』
おずおずと後退りする浩藍に青年は優しく微笑みながら、歩み寄る。
…ふわりと良い薫りが漂う。
浩藍の知らぬ中国のお香なのかも知れない。
『…驚いた。
女の子かと思ったよ…。
弟だ…とお父様に聴いていたからね』
『…え…?』
…じゃあ…。
浩藍の胸の内が伝わったのか、青年は涼やかな眼差しで微笑んだ。
『僕は佑炎。
…君の、兄さんだよ』