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第3章 同級会

翌日は母親の３回忌だった。

皆より早く起きた私は化粧をし、フォーマルの喪服を着て黒いタイツを穿き、真珠のネックレスを首に下げて準備ＯＫだった。　

昨夜泊まった親類に出すおにぎりを握り始めたところでお義姉さんが起きてきた。

「麻衣子さん、早いわね。疲れてるんじゃないの？」

「いいえ、大丈夫！お義姉さんばかりにまかせてちゃ申し訳ないですから・・」

「ありがと！」

兄嫁は裏表のない大らかな人柄なのだった。

兄嫁と２人で１００個程のおにぎりを握った後は、漬物と味噌汁を用意し、式の１時間前には全て完了したのだった。

「麻衣子さんのお陰で間に合ったわ。ありがとう！」

改めて兄嫁が礼を言って来た。


式が始まる３０分前から私は玄関で弔問客を出迎えていた。

自宅で行う身内だけの法事の予定だったが、都会と違い田舎では隣近所や生前世話になった人達も顔を出すのが通例なのだった。

懐かしい顔に会えた。

福島を離れて２０年以上になるが、年に２回は帰省していたし、帰省するたびに昔懐かしい友人や親戚とも顔を合わせていたから、自分の生まれ故郷はあくまで福島のつもりだった。


法事も無事終わった。

予定では麻衣子達は今日帰る筈だった。

でも、法事に来た高校時代の友人から、今日同級会だと聞かされ、せっかくだから是非出席するようにと何人かの友人から誘われたのだ。

兄夫婦や康平君に相談すると、皆が快く承諾してくれ、急遽同級会に出席する事になったのだった。