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ヒトガタ
第4章 記憶の真実
どれくらい時間が経過したのか?
…わたしは気がついた。
気がついたら、先程の草むらの中にいた。
近くにはシーツも落ちていた。
シーツを手に取り、身体を覆う。
良かった…助かったのか?
赤木は?
周りを見渡してみたが、ヤツはいなかった。
気配すら感じられない。
逃げ出したのか…
誰か応援が署から来たのかもしれない。
助かった…
わたしは一命を取り留めた。
とりあえず自宅に…家に戻ろう
皆んな心配しているはず。
夜中だったから車も通らない。
仕方なく歩き出し、家まで歩くことにした。
長かった…長い長い日がようやく終わった。
わたしは心から安堵した。
足取りは意外にも軽い。
気を失って寝ていたから体力を回復したんだろう。
ふわふわして足取りも早くなった。
どれくらい歩いただろうか…
自宅近くまできていた。
ああ…家が…わたしの家にようやく帰れる。
少し休みたい。
身体は軽いが気持ちが…心が重い。
苦しみの日々を耐えてようやく帰れる。
もう夜が明けていた。
太陽の日差しが眩しい。
わたしは日差しを避けようと手で目の上を覆う。
…そして、自宅に到着した。
とりあえず署に連絡するのが、先かな
トボトボと歩いて自宅の前まで来ると
人が何人かいや何十人か集まっていた。
…ん?なんだろう。誰かしら
あ、そうか今日はお盆だわ。
うちは古くからお盆のたびに親戚が集まる習慣があった。
入り口まで来たときだった…
わたしの頭の中が真っ白になった。
え?…え?どういうこと…なの?
なぜ?なんで?どうして?
わたしは玄関まで来て理解出来なかった。
ただ愕然としていた。
玄関には、「佐藤真希 一周忌」と出ていた。
い…一周忌?
え?だって…だってわたしは。
さっき逃げ出して、ここにようやく辿り着いた。
近くにいた親戚の人に声をかけたりしたが、すり抜けてしまう。
わたしは自分の身体を触ってみた。
わたしはここにいる。
何故?理解出来なかった。
ずっと監禁されていて、今、逃げ出してきた。
一年?一年ってどういうこと…
自宅に入ると祭壇があり、わたしの顔写真が飾ってあった。
その写真のわたしは笑っていた。
わたし…死んだの?死んでいたの?
ずっと?
どういうことなのか全く理解出来なかった。
誰か…教えて…教えてほしい。
わたしは記憶喪失になっていた。
数日前にその記憶が回復した。
お巡りさんがきた後に。
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