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優しい風
第2章 恋の始まり・・・
仕事の時 気が付くと飯田と良く目が合うように成り始め
和哉はなるべく見ない様に 目線を外し業務を こなしていた
仕事を終え 駅に向かって歩いていると 後ろから声を掛けられ
「お帰りですか」
飯田の長い黒髪から キラキラと大きな瞳が覗き込んでくる
「お疲れ様」
2人並んで駅に向かった
「何処か 行きたいな・・」
呟くように 飯田が歩きながら漏らした
芳美は昨日から碧を連れ実家へ帰っている 週末まで帰らないと言われ
何処かの居酒屋で 夕飯と軽く飲もうかと考えて入た処だった
「一緒に食事でもする?」
和哉が聞くと 嬉しそうに
「ご馳走様です」
和哉の腕を取り歩き出し 飯田の胸の膨らみを感じる
駅前のホテルのレストランへ入り 2人ディナーとワインを頼み
飯田は和哉を見ながら ワインを嬉しそうに口に運んでいた
食事が終り 少し頬を染めた飯田が
「ご馳走様でした もうお帰りですか?」
和哉を見上げて来る
飯田の瞳を覗き込むと 瞳の奥の光を見て
和哉は何時ものお店へ足を運んだ
ドアを開け
「マスター 何時もの」
静かな店内は 何時もの様に物憂げなジャズが流れ
「入らっしゃい 可愛い恋人と?」
グラスを拭いた 手を止めマスターが和哉を見た
「俺の恋人 恋人には水割りね」
飯田と並んで カウンターに座った
高島は グラスを空け 何も話さず前を見つめ 飯田は和哉を見つめて来る
「課長・・・」
飯田が 小さく呼んだ
「今だけ・・」
「今だけ 恋人で良いでしょ それ以上は駄目だよ」
和哉は 飯田の目を見て言った
「私・・・・」
「わかっている 後で寂しくなるから ここだけでね・・・」
和哉は グラスを空けながら呟いた
「マスター お勘定」
改札を入り 手を振り高島は帰って行った
紗那はその後ろ姿を 何時までも見つめていた