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優しい風
第12章 時は流れて
八木に続いて焼香を済ませ 八木が項垂れ座って居る秋田の許へ歩み寄った
「気を落とさないで」 八木が声を掛け 秋田は顔を上げ 立ち上がった
「部長も来ていただけたんですか 有難うございます」
紗那から聞いていたのか 表情は硬かった
「紗那 最後まで子供達の事を・・・・」
椅子に座って居る 中学生と小学生に視線を送った
「蓮君と碧君 紗那の子供・・・」 秋田はハンカチで涙を拭った
八木は子供の名前を聞いた時 和哉に視線を送った
二人駅へ向かい歩き始め 八木が口を開いた
「紗那さん・・・」 和哉が見ると
「碧君のお母さんに 成りたかったんだね・・・」
和哉を見つめ 和哉は黙って頷いた