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僕たちの大切な人
第3章 愛の手


午後の授業中ずっと泣いていた。


「杏?もう授業終わったよ!今、理人君呼んだからね?」

「うえぇ…まさ君じゃなくて一馬君と会いたいのにぃ……」

「そんな事言っても…もう!年下は好みじゃないとか豪語してたくせに」


すると、教室にまさ君がやってきた。


「バカ杏!世話が焼けるな…ほら、帰るぞ!」

「まさ君…うええぇッ!一馬君連れてきてよぉ!」

「あー!もう忘れろ!そう言われたんだからたまには素直に人の言う事聞けよ」


まさ君に引きずられるようにして連れて行かれる。


「……まさ君…杏は…ヒックッ…一馬君に嫌われちゃったんですか?」

「……そういうわけじゃないから安心しろ」

「まさ君も何か知ってる…うええぇ!またお姉ちゃんを仲間外れにするんだー…」

「ちげぇよ!いいか?」


まさ君に両方の頬をつままれる。


「ほえ?」

「真剣な話。一馬の事は忘れろ!それが杏の為だ」


何で…?


二人とも理由も教えてくれないのに納得出来るわけないよ…。
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