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僕たちの大切な人
第3章 愛の手
それ以降、私は記憶を消去してもその公園の近くに行くだけでパニックを引き起こすようになり外をまともに歩けなくなってしまって、私の為に引っ越す事になったのだ。
一馬君の事までも記憶から消し去っていたんだ…
恐らくあの日から知らず知らずのうちに男の人に触られる事を身体が拒否していた…
そして、今ここで再び再会してはいけない人と再会してしまい、あの頃の恐怖が蘇る。
「……杏ちゃん…あの後…お兄さん逮捕されちゃって……杏ちゃんと会えなくてすごくすごく寂しかったんだ…」
どうしよう……あの頃の小さい私じゃないのに体が動かない…。
「……釈放されてから毎日毎日ここで杏ちゃんを待ってたんだよ?やっと来てくれたんだね…8年経っても杏ちゃんは可愛い杏ちゃんのままだね…また遊んであげるからね…」
「……いや……やぁッ!」
昔はこの公園も人が多かったけど、今は寂れて今ここにいるのは私とこいつだけだった。
立ち上がろうとしても足がもつれてその場に崩れ落ちてしまった。
すると、後ろから抱きしめらる。
「杏ちゃん…ハァハァ…また愛し合おうよ…」
「いや………イヤアアァ!!アアアァッ!」
ついにパニック状態になってしまった。
「あ、杏ちゃん…!黙れ!何で拒絶するんだ!」
パニック状態の私の上に馬乗りになって首を絞める。
もう…ダメだ…こんな奴のせいでまともに恋愛出来なくて悩まされた挙句、最後まで振り回されて……私このまま殺されちゃうのかな。